【セミナー実績】動画編集者が「VUCAの時代」を生き残るには?単価アップの提案術
2022年にテックファンドという日本最大級の有料動画編集者コミュニティにて講師として登壇しました。
そのセミナーの内容をダイジェストでお届けします。
「動画編集を始めたけれど、将来が不安」「なかなか単価が上がらない」 そんな悩みを持つ動画編集者に向けて行われたセミナーです。
第1部では「選ばれる動画のクオリティ」、第2部では「高単価案件を獲得する提案術」について解説しました。
第1部:動画編集者が生き残るポイントとは
今は「VUCA」の時代、でも「動画」は正解
現代は変動性が高く、不確実で複雑な「VUCA(ブーカ)の時代」と言われています。しかし、動画編集に取り組んでいる皆さんの選択は「正解」です。5Gの普及やコンテンツの動画シフトにより、今後も動画の需要は伸び続けます。
ただし、生き残るためには「ただ動画を作る」のではなく、マーケティング視点や高いクオリティが求められます。
テレビとYouTubeの決定的な違い
クオリティの高い動画を作るには、テレビとWeb動画の違いを理解する必要があります。
- テレビ: ザッピング(チャンネル切り替え)が前提。途中から見ても分かるように作られている。
- YouTube: 0秒から再生される。「次のシーンを見たい」と思わせ続ける必要がある。
「最初の10秒は、次の10秒を見せるためにある」 この意識を持ち、常に視聴者の興味を持続させる編集(先を見たくなる構成)が必要です。
目指すべき「クオリティの高い動画」6つの条件
良い動画には以下の6つの要素が満たされている必要があります。
【発信者視点】
- 動画の目的が達成されること: デザインが良くても目的(集客やブランディングなど)を外しては意味がない。
- トーン&マナーの統一: ブランドの世界観を壊さない。
【視聴者視点】
- 分かりやすい: 専門用語を避け、補足を入れる。
- 得たい情報が得られる: 視聴者の「検索」をその動画で終わらせてあげる(解決策の提示)。
- 飽きずに見られる: テンポの良い編集。
- 画質・音質に不快感がない: どんなに内容が良くても、ここが悪いと離脱される。
第2部:案件を獲得する「未来を見せる」提案術
単価を上げるために最も重要なのは、「この人と仕事をすると未来がどうなるか」をイメージさせることです。実際に案件を獲得した3つの事例を紹介します。
事例1:ビジネスモデルを見える化する(コンサル案件)
YouTubeコンサルの提案時、単に「動画作ります」ではなく、「ビジネスモデル図」を提示しました。 「YouTubeで集客し、キーワード対策をし、最終的にどう収益化するか」という全体の流れをビジュアル化して提案することで、クライアントは成功イメージを持ちやすくなります。
事例2:収益シミュレーションを提示する(企画・編集案件)
「どんな動画を出せばいいか分からない」というクライアントに対し、「想定収支計画書」を作成しました。
- 1再生0.2円の場合、0.3円の場合
- 台本を外注した場合、自作した場合 これらをシミュレーションし、「損益分岐点」がどこに来るかを提示することで、即決で案件が決まりました。
★ポイント: 継続的な編集を受けたくない場合は、「最初の1本だけ作り、あとはマニュアルと素材一式を納品して外注化を支援する」という提案も有効です。
事例3:Web制作まで巻き取る(トータル提案)
予算が限られている学習塾のクライアントに対し、以下の提案を行いました。
- 本数を絞る: ダラダラ続けず「資産になる10本」だけを作る。
- Webサイト制作: 動画を格納するアーカイブ用のサイト(Jimdoなどで簡易作成)もセットで提案。
結果、動画だけでなくWeb制作まで巻き取ることで単価アップに成功しました。
ポートフォリオに「ストーリー」を乗せる
営業時、作った動画を見せるだけでは不十分です。「この動画を作ったことで、クライアントにどんな変化があったか」というストーリーを伝えましょう。
- 「サムネまで巻き取ったことで、クライアントのコミュニケーションコストが下がった」
- 「視聴者目線の提案で維持率がアップした」 こうした実績は、次のクライアントに「自分に頼むメリット」を強力にアピールします。