スマートフォンを「ダムフォン」に変える方法
デジタルデトックス実践のため、携帯の通知を無効にし、必要のないアプリを使う時間を減らす手助けしてくれるツールを紹介しよう。
https://wired.jp/article/how-to-turn-your-smartphone-into-a-dumb-phone/
Photo by Leone Venter on Unsplash
今回の記事では、長年自分が悩まされてきた脳疲労と、それの唯一の解決策だったデジタルミニマリズムについて紹介します。
自分は子供の頃から脳疲労に悩まされ、体調が安定しない時期を長く過ごしました。今までそれをメンタルの不調や、発達障害に関係する何かとして扱われてきました。しかし、この不調が現れたのは、自分が初めてiPhoneを持った中学2年生からでした。
高校生の頃はSNS全盛の時代と重なり、さらに脳疲労が悪化しました。学生生活はかなりボロボロで、プロジェクトを途中で中断してしまうことも何回かありました。気弱で不安定な学生の男の子という印象を周りから持たれていたと思います。
最近わかったことですが、自分は特に色々な情報を記憶しやすい体質でした。数字や文字などの情報はあまり強く記憶しないので、ペーパー試験などにはそこまで現れなかったものの、昔の風景や、誰かと話した内容などを長期間覚えている体質でした。
脳疲労がiPhoneを使い始めた頃から始まっていることを考えると、自分の体調不良はデジタル疲れによるもので、記憶力がその疲れを増幅させているという仮説を立てることができます。
実は記憶の体質を自分で意識し始めてから、脳疲労の半分は勝手に解消しました。これが本当の原因だったと見て間違い無いでしょう。自分は残りの半分の脳疲労を解消するために、手持ちのデジタルデバイス全ての環境を整える計画を立てました。
記憶がデジタル疲れの原因になっているとすると、デジタルデバイスから何かを思い出すデータを全て削除すればいいことになります。
削除の対象としたデータ一覧
・不要なアプリケーション
・不要なブラウザの履歴
・不要な通知設定
・SMSや通話の履歴
・不要なクラウドの個人データ
・PCのDesktop, Documents, Downloadsディレクトリの全データ
・ホームディレクトリ内の不要な隠しファイル
・ほぼ全てのアプリケーションのDock登録
・過去の不要なソースコード
・不要なUSBメモリを物理的に処分
・パスワードマネージャの不要なアカウント
・ChatGPTの全ての履歴
とてもつまらないiPhoneになりました。つまらないということは、見たくなくなるということです。
後から知ったことですが、このようにつまらない携帯電話のことを「ダムフォン」と呼ぶらしいです。特にアメリカで近年デジタルデトックスのために流行しているようです。
ですが、Youtube, Netflix, FaceBookを完全にやめたわけではありません。もう少し対策が必要です。
・全てのネットアカウントの広告設定を、企業にとって嬉しくない方にON/OFFする
・不要なコンテンツのフォローやいいねを全て解除する
これで、興味をひく広告がほぼ表示されなくなり、デジタルデトックスの直接的なアプローチとして大きな効果がありました。これは絶対にみんなやるべき。
・不要なサブスクと使うべきでないサブスクの解約
を行い、さらにデトックスを加速させました。
サブスクの数が少なくなると、サブスクの棚卸しが簡単になり、Netflixを1ヶ月だけ見ようとか、Amazon Primeは必ず一ヶ月で解約して配達を頼むときになったら再契約してそのときにPrime Videoを使おうなどのちょっとした工夫も可能になります。
Macもとてもスッキリした環境仕上がっています。
デジタルデバイスをこのような環境にすることで、以前やったことを一切思い出すことなく、作業に集中できるようになりました。
デジタルミニマリズムの導入により、自分のPC環境が進化しました。
スマホやPCの中身をミニマムにすると、自分のデバイスが全てレンタル端末のようになります。ここで気づくことがあるとすると
・自分はどんなPCを会社から貸与されても、同じ成果が出せる
ということになります。ミニマムなPCを使い自分側の能力をトレーニングすることが、本当の能力向上なのかもしれないと考えました。自分の普段プライベートで使う環境と、仕事で使う環境をある程度共通化して、環境の設定を保存しておくというテクニックを生み出しました。もちろんミニマムな構成に留めています。
仕事で使うツールには制約がある可能性があるため、調整に必要なソフトウェアは全て自分で実装しました。
このソースコードは全部で2.4MBしかないですが、
・新しいMacを買ったらスクリプト1つで同じ環境が構築できる
・Linux仮想マシンのミニマムな環境もスクリプト1つで構築できる
という画期的な機能になっています。
Chromeの使い方もミニマムを心がけるために
・タブを4つ以上開けないようにする拡張機能
・SNSや動画メディアへのアクセスをブロックする拡張機能
・休日だけSlackへのアクセスをブロックする拡張機能
を実装しています。
タブを4つ以上開けないようにする拡張機能は、自分の仕事のシングルタスク性能を向上させる目的で使用しています。これはマルチタスク性能も同時に上がるため、仕事の質にかなり効果があります。
ブラウザやChatGPTの履歴を残さないため、表示された情報は頭の中に確実に残すために、ちゃんと文章を読むようになりました。もし残したい情報であれば、会社のNotionのあるべき場所にしっかり書き記すというフローにもつながり、理論上ベストな仕事になっていると思います。
文章を真面目に読む癖ができると、英語力の向上や、勉強の効率にもかなり以前と差が生まれました。スティーブ・ジョブズがメモを取るやつは仕事ができないと言っていたのは、不要なメモを残さずに、頭にインプットしたり、確実にディスカッションを終わらせることが大事だと言いたかったのだと自分の中で考察しています。
デジタル疲れが改善した後は、リアルに目を向ける時間が増えました。今度は部屋をミニマムにしたいと感じ、断捨離をしてから友人をボードゲーム会に招待する機会が増えました。デジタルから抜け出して、昔からのアナログで暖かいコミュニケーションが戻ってきたのです。
デジタルミニマリズムを研究することにより、自分の脳疲労のほとんどを解消できました。それだけでなく、自分のパフォーマンスの最適化を行うことができました。
自分だけではなく、今生きる全ての人がデジタル疲れの影響を受けています。もしかしたら仕事のパフォーマンスを10%まで下げているかもしれません。デジタルミニマリズムは自分の生産性を100%までキープできる唯一の施策でした。またデジタルミニマリズムに進展があったら次の記事で書こうと思います。