この記事では、自分が仕事で実践してきた業務効率化の考え方と手法を紹介します。
現職では、オンプレミスとクラウドを含む計算機環境の運用を担当し、
会社で初めての運用側リードエンジニアとして組織と仕組みづくりを任されました。
スタート地点は「運用のエンジニアとして、何を目標にすべきか?」という問いでした。
そこから辿り着いた答えが、“複利が効く仕事を先にやる”という発想です。
複利が効く仕事とは何か
ここで言う「複利が効く仕事」とは、一度仕組み化すれば、時間が経つほど自分の負担が減り続ける仕事のことです。
自分とチームメイトの仕事を減らしていき、また新しい課題に着手することで、社員を増やさなくても大きな仕事ができる、会社にとって大きな資産を作ろうと計画しました。
エンジニアリングコスト削減は採用に勝る
優秀なエンジニアを採用することはもちろん価値があります。
しかし、それ以上に価値があるのは、
「人がいなくても回る仕組みを作ること」
です。
人材には以下のリスクがあります:
- 退職・離職の可能性が常にある
- 属人化によりパワーバランスが崩れ、組織が止まる
- 教育・引き継ぎコストが必要
だからこそ、会社の防衛手段として、属人化を排除した仕組み作りは必須です。
あえてAIを使わず仕事した理由
今、多くの人が「AIを使いこなせるかどうか」で差が出ると言っています。
しかし自分はあえて1年間AIに頼らないという制約を設けました。
使うのは学習用途のみです。
その理由はシンプルです。
- AIなしで成果を出せる人間こそ、本来AIを扱うべき人間だから
- AI前提の時代では、人間能力の鍛錬機会が失われるから
結果、
AIを使っても使わなくても業務を効率化するテクニック
を身につけることができました。
業務効率化の本質は「ミニマリズム」
業務効率化と言うと、ツールの導入や自動化を考えがちです。
しかし本質はもっとシンプルです。
業務から不要なものを徹底的に削除すること。
法人が求めるのは“最大化”と“最小化”のみです。
- 売上最大化
- コスト最小化
- 利益最大化
- 顧客・社員満足度最大化
- リスク・離職・事故の最小化
その原則に合わせて仕事を設計することが重要です。
デジタルミニマリズムと情報設計
ここからは自分が会社で実際に行った手法です。
Plain Textを制する者が仕事を制する
表現やツールに凝るのではなく、必要な情報だけを100%の純度で届けることが理想です。
- Slackでは1メッセージ=1トピック
- 礼儀は失わず、丁寧すぎる表現は排除
- 感情共有が必要な場面では絵文字を使う
- 残る文章は最短化・体系化する
文字を読む、返事を考える
そのすべてが労働コストです。
質問・確認・相談を最小化する
- 質問された内容は二度質問されないよう仕組み化する
- 勝手に判断していい範囲を定義する
- 確認ポイントだけ残し、そこまで確認なしで進める
この積み重ねで、社員1人1人の負担は大きく減らすことができます。
議事録やドキュメントは不要な行を全て削除する
これは何も考えず黙々と削除する時間をとって行うと効率的です。
1ページの膨大な情報の中から必要なものを見つけることも立派な労働コストです。もしNotionの情報量を40%減らし、1つ情報を見つけるスピードが大幅に向上したら、それだけで業務時間短縮になります。
少しAIを使ってみる
不要なものを全て排除した後にAIを使うと、目的に沿った指示をしやすくなるため、生成物の質が向上します。
自分はChatGPTの履歴を毎回削除しています。
以前はChatGPTに質問するだけで満足して聞きっぱなしで放置されているタスクが発生していました。ChatGPTから答えを受け取ったら、必ずその答えをタスクに使用します。そのために履歴の削除は有効です。
人を動かすには合理性と感情を理解する
ここまで紹介した内容は「ロボットのように仕事をする方法」です。
しかし実際には、仕事は人と行うものです。
人には合理と感情があり、それが原因でプロジェクトが進まないことが多々あります。それらを考慮することで、ちゃんと活気良く動くチームを設計することができます。
よくある合理
- 仕事を引き延ばした方が報酬を貰い続けられる
- わざと属人化した方がポジションを守れる
- 失敗しそうでも黙っていた方が責任を負わなくて済む
よくある感情
- わからないことが言いづらい
- 嫌いな作業を避けたい
- 感謝されないとやる気が出ない
PMの仕事は、
個人の合理と感情に合ったマネジメント・ドキュメント・リマインドを設計すること。
人はこういう特性を持っていることを前提とすることから、マネジメントの設計は始まります。
これは決してプレッシャーをかけるようなやり方に限った話ではなく、わからないことを言いやすい雰囲気作りや、早く完了した時のインセンティブ設計などにも使える考え方です。
社員が暇になっても損してない
業務が効率化された後に、社員が暇になったとしても、それは損をしていることにはなりません。
正社員雇用していたとしても、社員は離職の可能性を持っています。離職を防ぐためには、ある程度余裕のある業務にする必要があります。
効率化して社員が暇になるのは、会社が健康になった証拠と言えます。
まとめ
もし会社の利益を最大化し、コストを最小化し、リスクを最小化するために100%十分なアウトプットを出していたとしたら、それは完璧な仕事です。
1つ1つのコミュニケーション、確認作業、情報伝達を最適化して、全体で20%でも稼働コストを減らせるしたら、採用したり売上を獲得する以上に重要な仕事と言えます。
もし業務効率化に精通した人材をお求めなら、吉開 拓人にご相談ください。
実際に会社で行った業務の記事はこちらです。
【社員インタビュー#11】計算環境を支えるエンジニアリングチーム | NABLAS
自己紹介
吉開 拓人 (1997年生まれ)

TAKUTO YOSHIKAI
中学時代からソフトウェア開発を志し、高校時代には数多くの開発プロジェクトに携わってきました。Webエンジニアとしての枠に収まらず、慶應義塾大学に進学し、大学では人工知能とセキュリティ技術を専攻。フリーランスエンジニアとしてWebサービス、ロボット、モバイルアプリの開発を行い、また、新卒入社した企業ではセキュリティ製品の開発に携わってきました。
私の技術者としての強みは、深いインプットに時間をかけること、設計の細部にこだわること、そして素早くアウトプットを出すことにあります。
現在、生成AIの進化により多くの技術的な可能性が広がる一方で、ITエンジニアとしての品質が曖昧になる場面も増えてきました。しかし、私は一切妥協せず、質の高い堅牢なシステム構築を心がけております。
最新の技術を駆使したサービスの実現をお考えなら、ぜひ吉開 拓人にお任せください。
また、この記事のようにIT開発現場のコストカットに特化した業務も得意としています。一時的な売上に依存しないコストカットの資産を手に入れたい方は、ぜひ私にご相談ください。