1
/
5

シド二ーでMaaSを体感。


私が思うMaaS

近年、交通業界ではMaaSというものが注目されています。
 MaaSとは、「Mobility as a Servise」 の略で、そのまま訳すと、「サービスとしての移動」ということができます。

総務省のウェブサイトに、MaaSについて書かれたページがあり、ここでは

MaaSとは
電車やバス、飛行機など複数の交通手段を乗り継いで移動する際、それらを跨いだ移動ルートは検索可能となりましたが、予約や運賃の支払いは、各事業者に対して個別に行う必要があります。
このような仕組みを、手元のスマートフォン等から検索~予約~支払を一度に行えるように改めて、ユーザーの利便性を大幅に高めたり、また移動の効率化により都市部での交通渋滞や環境問題、地方での交通弱者対策などの問題の解決に役立てようとする考え方の上に立っているサービスがMaaSです。

とされています。

私自身、交通系の会社(鉄道)に属していたこともあり、MaaSに対する関心はすごく高かったです。MaaSを見る上で私が関心を置いていたポイントは、

・決済
・選択

大きくこの2点です。

決済


 「決済」については、電車に乗る際、よく改札前の券売機に多数の列が出来ているのを目にして、何か違和感を感じていました。もともと私がiPhone7でApplePayが使えるようになってからは、ほとんどきっぷを買ったこともないし、チャージもスマートフォン上で行うことができていたからです。
 さらには、(例えば)東京で、一つの目的地に行く際、乗り換え時に複数回改札にタッチしなければならないのにも違和感を感じていました。今となっては当たり前に思えることですが、もともとA地点からB地点にいくまでの料金は決まっているのだから、事前決済で一度の操作で完結できないものかと。
 人間、1日に何回の決済をしているのでしょうか、決済をしたあとは無意識にその行為については忘れてしまいがちだと思いますが、決済に手間がかかることでイライラしたり、購入をためらったりしたことが誰しもあるのではないでしょうか。決済を変えれば、全てが変わる。大げさかもしれませんが、最近ではそう思うようになっています。

選択

 「選択」については、私が歩くのが好きだからかもしれませんが、隣駅ぐらいまでの距離だったらほぼほぼ歩きます。ひと駅分の運賃が減るし、街歩きは楽しくて好きなので。乗り換えアプリは巷に多数存在していて、便利な情報を送ってくれます。本当に便利な世の中になりました。
 ただ、ここでふと思ったのです。自分にとって「快適な移動」という価値があって、それを得るために今の自分に一番合う手段を毎回選択しているんだよなと。だったら、鉄道ファースト、バスファーストではなくて、歩行という選択肢もあるし、自転車という選択肢もある。海外などは電動キックスクーターも流行っているので様々な移動の選択肢があるなと。移動はただの手段に過ぎないと思います。(もちろん、移動そのものを楽しむJR九州のデザイン・ストーリー列車も存在しているので、例外はいろいろありますし、僕自身移動そのものがとても好きです。)ということで、言い換えると、「移動はただの手段としての側面がある」と思うのです。ただの手段を「もっと自由に、楽しく、便利に」できれば余計なストレスや手間がかからず、もっと人は幸せになると思うのです。

このようなことを考えている中で、ある本に出会いました。


MaaSモビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ
2030年、世界で100兆円以上に達すると予測される モビリティサービスの超有望市場「MaaS(Mobility as a Service、マース)」。 自動車メーカーだけではなく、鉄道やバス、タクシーといった公共交通、 シェアリングビジネス、配車サービスをも巻き込む 「『100年に一度』のゲームチェンジ」で生き残る秘策とは---。 交通サービス分野のパラダイムシフトにとどまらず、 MaaSで実現する近未来のまちづくり、エネルギー業界から不動産・住宅、保険、観光、 小売り・コンビニまで、MaaSの「先」に
https://www.nikkeibp.co.jp/atclpubmkt/book/18/269670/

MaaSについて世界で起きていること、これから起こりそうなことが詳細に書かれていて、とてもワクワクしました。

読んだ後、実際に海外で提供されているサービスを見てみたいと思い、2019年3月下旬、有給と連休をうまく利用してオーストラリアのシドニーへ向かいました。

なぜシドニーなのか

 MaaSについて調べていく中で、真っ先に名前が出るのが、フィンランドのヘルシンキ発症の「Whim」というサービスでした。Maasという概念を初めて考え、提供したのがWhimです。
 ただ、フィンランドは日本からはもちろん遠く、連休と有給くらいでは時間が足りないと思い、今回は見合わせて、GWの連休に行くことにしました。
 そんな中、オーストラリアのシドニーでもMaaSの取り組みが始まっていることが分かりました。今回は近場のオーストラリアに行くことに。特にシドニーは、電車・バス・フェリーなど多様な交通手段を要しており、MaaSについて見るには丁度いい場所でした。


サービス①opalカード

オーストラリアではopalカード(日本でいうSuicaやPasmo)というものが使用されており、このカードにチャージをすることで交通サービスを使用することが出来ます。

この仕組み(サービス)のすごいところ、
・アプリ上でクレジットカードによる決済(チャージ)が可能
・乗車・使用したログが残る(1週間に◯回以上乗るとその後は無料で乗車できるサービスもある)


サービス②TripGoアプリ

また、TripGoという移動経路探索アプリがあります。

今知ったのですが、無料でAPI公開していますね。自分のアプリにも入れてみたい・・・


TripGo Developer
The TripGo API allows you to plan door-to-door trips using a large variety of public and private transport. It integrates real-time information and, for selected providers, allows users to book and pay for transport. Get an API key.
https://developer.tripgo.com/

シド二ーだけに限らず、海外の様々な都市で使用できます。
・鉄道、バス、自転車、タクシー様々な交通手段を調べてくれる
・歩行、自転車のときはkcalカロリー消費量まで提示してくれる
・坂道で辛いところも提示してくれる
・乗りたいバスが今どこを走っているか分かる(非同期通信でバス位置が変わる!
・バス座席の空き具合を提示してくれる

この2つのアプリを使用しながらシドニーの交通を体感してきました。


特に、驚いたのは、TripGoで

・乗りたいバスが今どこを走っているか分かる(非同期通信でバス位置が変わる!
・バス座席の空き具合を提示してくれる

非同期通信で画面を開いたままでもバスの位置が移動しているのにはとても驚きました。

ただ、思えばタクシー配車アプリで最近は当たり前になっていますよね。笑


また、バス座席の空き具合を提示してくれるのもかゆいところに手が届いているなという印象です。

バスの混雑具合が事前に分かることで、特に急いでいない人は次のバスまで待とうという選択ができますし、バス系統が多数あり、同じ区間を走るバスが他にもある場合は、そちらを使うという選択も出来ますね。今回は見つけられなかったのですが、MANY SEATS AVAILABLEという状態で検索をかけて、より空いていないバスを探す。最寄りとはちょっと離れてるけど、荷物が多くて周りの迷惑になりそうだったり、どうしても座りたい人にはそういう機能があると便利ですよね。

終わりに

ちょっとアプリを作る側の視点から今は考えることができるようになってきつつあるのを感じます。プログラミングの勉強をやった前、やった後で今まで経験してきたことの捉え方が少し変わったのを感じました。

ということで、今回はMaaSシドニー編について書いてみました。この記事も、もっと写真やビデオを載せたりしながら、拡充しつつ、GWに行ったヨーロッパでの交通体験についても書いていけたらなと思います。