AI時代だからこそ、UXデザインを深く理解する必要がある!
と思い、7月1日から、「Sociomedia ヒューマンインターフェース ガイドライン」を読み進めて、考えたことを記録して、noteマガジンにまとめている。
今日は13個目「Constraints」。英和辞書を引くと「制約」または「制限」と訳されるが、英語でコミュニケーションしてきた私自身の経験からすると「制約」の方がしっくりくる。何かをしたくてもできない、というイメージの言葉。1万円しか持っていないから、2万円のものが買えない、みたいな。
まずは引用から。
13. Constraints
ユーザーの行動を部分的にあえて制限することにより、誤操作を減らしたり有効な使い方を促したりする。例えば、ハサミはそのハンドルの形状によって持つ方向を制限して、常に刃が正しい向き(力を加えやすく、切り口も見えやすい向き)になるようにしている。
— https://www.sociomedia.co.jp/9113
ハサミのような、日常的に使う何でもない道具には、実はUXデザインとして優れているものが多い。だからこそ、長年デザインが変わることなく使われ続けている。
「ユーザーの行動を部分的にあえて制限する」というルールは、UXデザインの三つの大前提のうちの一つ、「User Control」(システムの都合で一方的にユーザーの行動を制限しない)に矛盾するように思える。
しかし、行動を制限することで、ユーザーが目的を早く実現できるのであれば、それはむしろ「User Control」を確保していることになる。
スウェーデンで学者をしてた頃、年配の同僚の教授が「選択肢がありすぎるのは、むしろ人を不幸にするのではないか」と問題提起していた。スウェーデンでは、年金制度が全国民共通で、自分で年金積立金の運用プランを選べる(記憶が定かならば)。この運用プランが30以上あるらしく、全て調べて一番良いものを選ぶのは、時間もかかるし、頭も使って疲れる。それより、5つぐらいに絞って選ばせた方が、トータルな幸福度は高いのではないか、と。
同じことがUXデザインにも言える。選択肢を減らすことで、認知負荷が減り、判断がしやすくなる。1960年代のコンピューターは、ボタンが100個ぐらいグリッド状に並んでいたらしい。これではどう操作すればいいか全くわからない。ホーマー・シンプソンが働く原子力発電所は未だにそうらしい。
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人間が一度に覚えられるのは、最大7つと聞いたことがある。8つ以上タスクを同時進行させると、全部把握できなくなってミスが起こる。だとしたら、タスク管理アプリは、8つ目のタスクを始めようとするユーザーに、残り7つのうち「未着手」に戻すタスクを強制的に選ばせる、というUXデザインの方が、親切なのではないか。
たくさんの人に使ってもらえるように、制約を最小限にして「100個ボタンを配置する」(比喩的な意味で)のは間違いだと思う。万人受けする必要はない。制約の仕方を工夫して、痒いところに手が届くようにして、世界中で1000人ぐらいの人にとってベストなアプリを作れば、それで良いと思う。
(私が書いたnote記事を一部編集して転載しています。)