【インタビューコラム】AIにはできない“人間らしい仕事”って何だ?
スクリプトを入力するだけで生成AIがアニメーションを作ったり、デロイトトーマツが公認会計士業務にAIを活用したりって、なんか近頃、“AIが新しい仕事を覚えちゃった”系のニュースが相次いでいる。あっという間に単純な事務仕事から、ちょっとした知的労働まで、ある程度のルールベースで実施される仕事はどんどんAIに置き換わっていくんだろうなって感覚が急激に現実味を帯びている。
ちょっと前からよく言われていたように、「人間しかできない仕事」とか「人間らしい仕事」だけが残るんだろうなって話だけれど、では「人間しかできない」とか「人間らしい」仕事って何? まあフィジカルやエッセンシャルなお仕事は残るとして、あとはやっかいなおじさんたちの言い分を聞きながら、なだめつつ落とし所をみつけるみたいな、要は人間の気持ちをいじくるような仕事、そんな面倒な調整仕事はAIではできないだろうから、ある意味「人間らしい」仕事として残りそう。
とりあえずインタビューも残りますよね、きっと。申し訳ないけれど、編集ライティングは生成AIがすぐに取って代わっちゃうだろうし、実際にこれまで外注ライターに発注していた企業さんも、マーケやPR担当が生成AIを駆使して内製化し始めているという話を聞く。正確だし、早いし、なんたってコストが圧縮できる。そもそもレギュレーションがガチガチで、個性とか関係なく、だれが書いても金太郎あめみたいな同質クオリティが求められる仕事は、ルールがガッチガチな分、AI君に置き換えられやすい。
それにくらべて、インタビューは誰もが均一レベルでできる仕事ではない。えらく俗人的で、はっきりいって個人の力量であったり、キャラの差がアウトプットに反映されやすい。しかもインタビューを受ける相手も千差万別で、セオリーや勝ち筋を見いだしづらい。人の顔色を見たり、相手の受け答えに併せて臨機応変に質問を変えながら、話の方向性を整えていく必要がある。そういう意味ではインタビュー仕事ってやっぱりまだまだAIでは難しいのだと思う。だからこそ、個人の色を出しつつ、皆さんに認められるようなインタビュー技術を磨き続ける必要がある。
すなわち飽くなき向上心が必要であり、AIをはじめとするテクノロジーと同様、進化し続ける、進化が求められるお仕事なのだと思う。