【インタビューコラム】転職回数が多い人ほどプロインタビュアーに向いている?
転職回数が多い人ほどプロインタビュアーに向いているという驚きの研究結果が判明した(自社研究・笑)。例えばこの私、伊藤秋廣は、大学を卒業して新卒で東証第一部上場の楽器メーカーに入社。経理部と国内営業統括室営業広報課に配属された。3年ほど勤務して株式会社インテリジェンスに転職。当時の同社は設立したてのドベンチャー。ここでは電話帳テレアポにはじまる、求人広告の企画営業に従事し、今ではありえないが夜中まで働きまくりの日々だった。
次に転職したのは親戚が経営していた電気工事の会社。関電工の協力会社で地中線の保守業務に従事、ここでは現場代理人として年配の頑固な職人たちを相手に施工管理や親会社との調整に奔走した。また地下道の換気設計を任されることになり、気体や液体の物性や図面の読み方、CAD操作などを覚えた。鉄塔にも上ったし、真夜中にマンホールも開けた。いわゆるガテン系だ。
次に転職したのは、富士通の協力会社で、パーソナルコンピューターの内部部品であるプリント基板のアッセンブリとケーブルハーネスを製造する中堅メーカーのルート営業、施工管理を経験。製造部門や品質管理部門、技術開発部門、調達部門など様々な立場の人間と顧客の間を取り持った。まさにベーシックな日本のものづくりの現場で業務に携わっていた感。その後、中堅のインターネット広告会社に転職し、そこで広告運用チームのマネジメントを経験。チーム組成から採用面接や新人教育を担当した。その会社では副業として雑誌記事のライティングにもチャレンジ。ダブルワークを経て、40歳で独立し、フリーランスとして13年間がむしゃらに働き、そして2019年に法人化して、経営のまねごとをはじめた。
おわかりのように私のキャリアの中に多様なキーワードがちりばめられている。上場企業のコーポレート部門、ベンチャー企業、経理、営業職、製造業の生産管理、工事現場における施工管理、マネジメント、インターネット広告、副業、ダブルワーク、フリーランス、起業、経営などなど、まさに様々な働き方で、そして大中小それぞれの企業で、コーポレート、営業、工事現場、製造現場を、IT広告、HR業界を経験してきた。だからインタビュアーになったときに、取材対象となる業界理解、職種理解、ビジネスモデル理解がしやすかった。すっと入ってくる。しかも取材前に、付け刃的にネットで調べて表面的に理解するのではなく、業界とか組織の中の人の目線で共感できる。だからインタビューを受ける人の立場がわかり、共感コメントからすばやくわかりあえて、“わかってくれる人”と信頼を得て話しやすい雰囲気が作れるし、業界や立場を理解しているからこその的確なトス(質問)が投げられるので、コンテンツの内容にも深みが生まれる。簡単にいえば、本当にわかってる人が聞いた方がよいし、書いた方がよい、ということだ。
その一方で固定業界に閉じてしまうと、内輪だけが理解できるコンテンツになってしまう恐れがある。手前味噌ながら、その業界のことはわかっているけれど、他の業界のこともわかっていて、第三者目線で話が聞ける伊藤が支持を集めているのは、俯瞰しながらも、その業界、組織特有の事情も理解できるからだ。転職を繰り返してきたからこそのリアルな経験が生きている。
ものづくりの流れとか、営業とか社内の立場とか、わかったうえでインタビューをしているから、私としても理解が深まるし、インタビュー受ける人もわかりやすい。だから導入事例など、様々な業界理解が必要となるインタビューコンテンツで力を発揮するのだ。