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組織における文化ダイバーシティの必要性

初投稿です。なれぬ筆を書き進めます。


この前PODCASTを聞いていると面白い話がありました。

https://www.disruptingjapan.com/foreign-startup-founders-have-secret-advantages-japan/

Foreign Startup Founders Have Secret Advantages in Japan
ちょっと捻って訳すなら、外国人スタートアップ創業者の秘密の武器といったかんじでしょうか笑

Zehitomoというスタートアップの創業者のフィッシャー ジョーダンさんが外国人として日本でスタートアップを経営する際の自分の思いもよらぬアドバンテージについて語っています。この話を聞きながら、彼が感じている外国人としてのアドバンテージは逆に日本の企業や組織にとっても利用することができるものではないかと思ったのです。


まず簡単にポッドキャストの内容を紹介します。


"I think being a foreigner running a startup in Japan has its advantages as well: you can use your gaijin power when needed, you can… "
”外国人としてスタートアップを経営することにはアドバンテージがあります。ガイジンパワーを必要な時に使うことができるのです。”

個人的になかなかウケるワードチョイスです。ジョーダンさんは日本で彼が商談や取引を遂行する際、自分達のプロセスが一般の日本人対日本人のものに比べ素早く直接的に遂行することができていると感じているそうです。
日本人の私達にとってなかなか気づきにくいことではありますが、日本の言語や社会的なプロトコルは外側の外国人目線から見るととても複雑です。その中で外国人はある意味無駄であったり冗長になりがちなそのプロセスを一部ショートカットして、コミュニケーションをより論理的かつ直接的にすすめることができているとのことです。(ジョーダンさんはもちろん,このガイジンパワーを使うことは単に無礼な外国人として振る舞うのではなく、日本の伝統的な文化や慣習を理解した上で最大限それを尊重しようとした時にガイジンパワーが発現すると説明しています)
ガイジンパワーとは言い換えると、互いの文化を尊重しているという前提条件において、排他的な文化コミュニティにおける通例や慣習の内、端折れるところを無視したより効率的なコミュニケーションということではないでしょうか。


さて、僕はこのガイジンパワーは組織の内部においても極めて有効であると考えています。一見非効率に思えるかもしれませんが、日本において外国人を組織内に取り入れることは組織内のコミュニケションを活性化させる要因となり得ます。僕自身ファーストキャリアの会社から、現在にかけて国際色豊かなチームの中で働いてきましたが、日本人同士のミーティングに比べ、そこに他国籍のメンバーが加わったほうが、年齢やポジションの上下に囚われないフラットな議論を誘起する現場を見てきました。
さらに、組織内の文化的多様性が広ければ、よりダイナミックで建設的なディスカッションができ、戦略の策定や実行プロセス途中の課題解決についてより革新的なアイデアが生まれる可能性が高まります。今回は国際的バックグランドという意味での多様性に焦点を絞っていますが、もちろん異なる専門領域でのバックグランドの多様性にも当てはまります。因みに、この多様性の確立という課題の重要性は世界中で認識されており、例えばアメリカの一流大学が学生のダイバーシティの持続に腐心していることからも読み取れるでしょう* https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58307 。

若干脇道にそれますが、多様性以前の問題として日本人はそもそもティスカッションが苦手、そもそも概念として浸透していないということもあります。あくまで私個人の生徒としての経験ですが、学校教育の現場では教師が一方的に生徒に対して教科書の内容を粛々と説明する。そして任意の課題を提示しそれに対して生徒に生徒同士で議論させるということはありませんでした。

完全に余談ですが、上記の詰め込み式の教育の悪弊とディスカッションの重要性については僕の好きな本「ご冗談でしょうファインマンさん」の中で物理学者リチャード・ファインマンも指摘しています。いずれまた書きたい思っています。

僕も時にこのディスカッションが苦手だったりします。主題の分野に関して自分のほうがはるかに知識や経験があると思われる場合、エネルギーの消耗を伴うディスカッションなど無用だと考えてしまう時があるのです。しかし、実際には上記のような状況においてディスカッションを行うことで、異なる角度からのアイデアや斬新なアイデアを吹き込んでもらえることが多くあります。


結論として、組織の中枢部やチームの各所に異なる文化的背景をもつ外国人をいれることは、日本の組織経営の効率や質を底上げすることにつながると考えています。具体的なデータをあたったわけではないのですが、肌感覚として、日本国内で外国人を組織の実行部隊として雇っているところは多くあれど、経営の中枢に雇っているところはまだ少ないのではないでしょうか。
ただここで懸念されることは、”ガイジンパワー”は互いの文化・言語を尊重しているという前提条件において発現するということです。この状態は共生文化がある程度成熟しているコミュニティもしくは個人同士の間でないと発生しずらいでしょう。私の関わっているインバウンド事業においても言えることですが、日本人の中には郷に入っては郷に従えという言葉のコンセプトを取違え、日本にくる外国人はすべからず日本語を話、マナーを守るべきと考えている人もいます。この言葉はあくまでその場所を訪れる側の心得で、迎える側の我々は敢えて日本で働きたいという彼らの心意気を斟酌し、また彼らをチームとして迎えるメリットを考慮し、むしろ彼らの文化、言語に真摯に向き合うべきです。僕自身外国人パートナーのアメリカ流ビシネスマナーなど日々勉強中です。

文化的多様性に富み、共生文化が成熟しているコミュニティでは当たり前のコンセプトで、外資や国外で働いている人にとっては周知のことだと思います。しかし、これまで単一の民族、文化で形成されてきた日本においてイノベーションを起こす上では重要なスタンスではないでしょうか。


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