「ずっと黙ってたんですけど、いいですか?」── 社長に見えないものを、外から見る
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経営には「外からの視点」が絶対に必要だと思っています
仕事に熱心な社長ほど「これは売れるはず」「うちの商品いいでしょ?」と前のめりになる。その熱量は社長に欠かせない資質です。でも事業を本当にうまくいかせるには、「これ、大丈夫?」「売れないんじゃない?」という冷めた目線も要る。そして、中にどっぷり入るほど、その客観視はできなくなる。
だったら、外からの視点を物理的に入れてしまえばいい。それが外部の右腕の価値だと、ある商談で痛感しました。
僕が手伝っているある社長が、BtoCの物販商材を売り込もうとしていた。正直、僕にはまだ勝ち筋が見えていなかった。そんな中、商品を置いてくれるかもしれない会社とのアポが取れ、「鈴木さんも入ってください」と言われてオンラインで同席しました。
社長は一生懸命プレゼンします。一生懸命アピールする。でも、相手にはまったく刺さっていない。「あー、この売り方じゃ伝わってないな」と僕は思っていました。
30分ほどで、相手が「すごく勉強になりました。また何かあればご検討させていただければ」と締めようとした。よくある、ダメな商談の終わり方です。こうなるともう、何も検討してもらえない。
外から冷静に見ていた僕は、ここで動かないと損だと思って、口を開きました。
「あ、ずっと黙ってたんですけど、ちょっといいですか?」 「今日こういう感じになっちゃいましたけど、そもそもなんで僕たちにお時間いただけたんでしたっけ?」 「何か期待してたけど、期待とずれてた感じですか?」
「その商材に本当に可能性があるのか」を見極めるための質問を、矢継ぎ早に投げていった。30分で終わるはずの商談を、50分まで引き延ばした。結果、その商品は今のままでは刺さらないと判明し、商品設計そのものを見直すきっかけになりました。
僕が引き延ばした20分は、商品を売る時間ではなく、その商品が世の中に刺さるかを見極める時間でした。
社長の立場では、ああいう質問はなかなか出ません。社長はとにかく売ることを考えているから、売れなかったら「はい、次」となる。一方、僕は外から俯瞰しているので「そもそもこれ売れるの?」と思っている。だから「この機会に聞いてみよう」となる。
実際その商談中、相手に「今更ですけど、鈴木さんって何の人なんですか?」と聞かれました。外部の人間だと伝えると納得してもらえた。仮に僕が内部の役員だったら、「これ売れるんですかね」なんて冷めた態度は不自然です。外部だからこそ取れるスタンスだった。
社長が前のめりな時こそ、「これ、微妙じゃね?」と言えるセンサーが要る。それを持ち込めるのが、外部の右腕の価値だと思っています。
ちなみに僕自身も、自分の事業を準備するときは外部のプロに「ぶっちゃけ微妙だったら言ってね」と頼んでいます。中の人間は、のめり込むほど見えなくなるものなので。
「うちの商品、客観的にどうなんだろう」と思ったことがある方、一度、外の目を入れてみませんか。