本書を読みながらも、「みんながみんな、この生き方をできるだろうか?」と思ってしまった。
最初から否定的な意見となってしまったが、著者の主張を全否定しているつもりはない。
私自身は参考になったし、絶対に老害になりたくないと思っているため、「年長の賢者」として若い人にも認められるように、研鑽を重ねたいと思っている。
そういう発想に全員がなれれば理想であるが、現実は難しいとも感じてしまう。
能力差は確実にあるし、みんながみんな性格が良い訳ではない。
歳を取ると我儘になるものだし、頑固さも際立っていく。
理想は本書記載の通りだが、現実は厳しいな、という意味での私の意見であるので、そこは汲んでいただければと思っている。
最近は、自分自身が「老害」という言葉に敏感になってしまっている。
もうそういう年齢だし、自分が老害にならないように、意識をしているつもりだ。
しかしながら、周囲が私をどう見ているのかは、本当のところは分からない。
より注意していく必要があると感じている。
老害になりそうな人は、その対象年齢から相当に若い時点でも、何となく醸し出ていると思う。
少なくとも謙虚さがないと話にならないし、好奇心を持ち続けることも重要だろう。
好奇心がなければ、知恵を得ようとも思わないし、努力もしない。
そういう生き方をしていれば、歳を取ってどうなるかは大体想像がつく。
良い年齢の重ね方をしていれば、それだけで若者にアドバイスできるはずだが、老害のアドバイスほど耳障りなものはない。
「あなたの言う事はピントが外れていて、何の役にも立たない」
人間力に優れている今どきの若者は、そんな直接的なことを面と向かって言わないだろう。
しかし、心の底で何を思っているのか。
これからのエルダー(日本的には「中年」でよいか)の生き方を考え直さないといけない。
ここで大切なのは、若い時の過ごし方こそ重要であるということ。
若い時こそ最大限の努力をして、好奇心を持ち、夢を持ち、謙虚な姿勢でいること。
そうすれば、それが習慣化されて、歳を取っても老害化されることはないと思う。
それでは若い時にサボってしまって、特に好奇心もなく、無駄に日々を過ごしてしまったていたら、もう手遅れなのだろうか?
それでは、すでに中年になってしまった人たちは救われない。
例え何歳だって、これからの長い人生を考えると、その瞬間が一番若いというのは間違いない。
思い立った時に行動することが、今後の人生を少しでもより良くするための、賢者の知恵である。
しかしながら、結果が出るのには相当に時間がかかるだろう。
これは避けて通れないことなので、継続して努力できるかどうかが、その後の人生の分かれ道とも言える。
だからこそ、習慣化することに意味がある。
我慢しながら続けるのには無理があるから、淡々と日々の生活の一部に行動を組み込んでいくのが、正しいやり方なのだろうと思う。
中年というのは、本当に生きづらい年代だと思う。
人の幸福度について、スマイルカーブで表現されることが多い。
幸福な度合いを縦軸に取り、横軸は左端が0歳で、右端を人生の終わり(例えば100歳)と取る。
幸福度は生まれた時が最も高く、それが年齢を経るごとに下がっていく。
中年が最も低くて、そこを脱すると高齢に向かって幸福度は上がっていく。
グラフがU字になるために、スマイルカーブと言われているが、これは実感としても非常に納得できる。
私はすでに50代後半だが、確かに40代くらいが最も悩んで、精神的に辛かった思い出がある。
何となくその「底」を抜けて、幸福度は上がっている実感があるのだ。
人にもよると思うのだが、自分自身がこれからももっと幸福度が上がっていくと思うと、「そうなるといいな」と心から思う。
実際に幸せになるかどうかじゃない点がポイントである。
そう感じられるかどうか。
歳を取ると、朝起きて健康でいられるだけで、幸せを感じる度合いが若い時とは異なるだろう。
ある意味で諦めるというか、人生を受け入れることができるから、日常の出来事が平穏でありさえすれば、それで万事好しとなる。
最近は特に、感覚的にものすごく理解できる。
これから世界的に見れば、寿命は益々延びていくだろう。
労働人口の年齢構成で見れば、50代が更に増えていくのは必須。
60代70代でも引退しない人が増えていくのであれば、働く概念も大きく変わっていくはずだ。
メンターであり、インターンの気持ちになる。
これは重要な考え方だと思う。
書籍「LIFE SHIFT」でも説いていたように、今後はキャリアを何度かチェンジして生きていくことになるはずだ。
一つのスキル、一つのキャリアだけで定年まで働くことが無理な状況では、何度もキャリアチェンジしながら、自分の人生を歩んでいくことが必須である。
昔の言葉で言えば「脱サラ」になるのかもしれないが、そんなことが社会的に普通のことになる。
50代で起業した方が、20代で起業するよりも、成功確率が高いというデータすらある。
50代の方が、経験や知恵があるのは間違いないが、単純に、慎重に進める部分なども影響していると思う。
今までの人脈も少なからず使えるだろうし、様々な面で有利であることは、傾向としてあるだろう。
新しいことにチャレンジする姿勢。
それを謙虚に行いながら、インターンのように学ぶ姿勢。
正直簡単ではない。
今会社で周囲を見回していても、それを体現出来ている人はあまりいない。
プライドが邪魔しているのか、今までのバイアスが邪魔しているのか。
発想を変えて、行動まで変えるのは本当に難しい。
すでに自分もそういう立場になっているが、体現できているかは自信がない。
しかし、やっていかなければ生き残ることは難しいだろう。
生き残りたければ、変化に対応するしかない。
好奇心を持ち続け、謙虚に学び続けることが、変化に対応する方法である。
モダンエルダーを目指すというのは、大事な考え方だと感じた。
(2025/10/15水)