▼欧州紀行まとめと日本人への提言
3年ぶりのヨーロッパ紀行を終えての気づきをまとめてみる。
日本の円が弱くなったためにとにかく物価が高いように感じた(特にパリ中心部)。海外に出続けて25年間で一番日本円の弱さを感じたかもしれない。
が、実際に行ってみて思ったのは「物価が高いっていいことなの?」ということ。
海外周りのビジネスをやっていると
「日本の物価は安すぎ。どうかしている」
「日本はもう終わった国だ」
などと悲観的な意見をよく聞く。
しかし物価が高い国のQOLが高いかと言えば、全くそうではない。フランスの最低時給は1800円程度だが、タバコ1箱1800円、ホットドッグも1800円。そしてそのホットドッグは決して美味しいものではない。
1時間働いて美味しいいホットドッグを2、3本は食べられる国と、美味しくもない熱犬を1本食べられる国。果たしてどちらがQOLが高いのだろうか?
国民が幸せかどうか?を決めるのはQOLであり、GDPや通貨で国家の幸せを定義することは古い昭和的価値観(比較でしか自分の優位性を決められない)なのかもしれない。
個人もそうであるように、幸せは他者との比較の先にはない。「誰々より〇〇だから幸せ」という価値観ではなく、自分が自分らしくあるから幸せなのであり、幸せは100人いたら100通りあるものだ。比較での幸せは不幸な人=自分より劣っている人を作る行為でもあり苦しいだけだ。
他者と比較しその優位性でしか幸せを見出せないのは古い価値観であり、幸せは自己満の中にあるものなのかもしれない。
見逃しがちな視点ではあるが、人間の集合体である国家もそう。問題なのは他国と比べ経済大国であるかどうかではなく国民のQOLである。
そういった意味では今や日本のQOLは相当に高いのではないだろうか?
ほとんどの日本人が自覚してないけど。
こんなに安全でゆたかな自然とさまざまな文化がある国家はない。
なぜ自覚をしていないかというとインバウンド観光客がなぜこんなに日本に来ているかがピンときてないように、自らが外に出て「実際に日本で当たり前のものが世界にない」 という経験をしていないから。物事は体験を通して身体化することでしか分からない。
また全ての物事には陰陽がある。通貨が弱くなると確かに海外渡航はしづらくなる。しかし一方で日本のモノは売りやすくなる。これからの日本は外から金をがっつり稼げば良い。そしてそれは日本にいながらも出来る。
通貨や物価より大事なのは唯一性をなくさないことだ。ユニークであり続ければ日本は勝ち続けられる。ユニークでないものは価値がなくなる。その国にしかないもの、考え方、体験できないものに気づくこと。つまり我々日本人の強みを認識し誇りを持ち継続し続けること。 他国とは比較し過ぎず自己満でいること。答えは外にはない。内にあるのだ。
そして我々のユニークさもやはり外に出ることでしか理解できない。
だから私はこれからも日本人や日本企業を海外に出すことをミッションとし続けるし、自分の足で世界を感じつづけよう。