【第4回】「いつものをお願い」――常連のお客様に支えられて
こんにちは。
沖縄県那覇市で食堂を経営しております、川﨑雄平です。
父から店を引き継ぎ、2代目として長く食堂を続けてきました。
店を続けていると、毎日のように顔を合わせるお客様が少しずつ増えていきます。
店に入って席に座り、
「いつものをお願い」
そう言ってくださる常連のお客様もいらっしゃいます。
私にとって、この何気ない一言はとても嬉しいものです。
「いつもの」が生まれるまで
最初から常連のお客様だった人はいません。
初めて店に来てくださり、料理を食べて帰られる。
そして、しばらくするとまた来てくださる。
それを何度も繰り返すうちに、
「いつもの料理」
「いつもの席」
「いつもの会話」
が生まれていきます。
そう考えると、「いつもの」という言葉には、お客様と店が一緒に積み重ねてきた時間が詰まっているように感じます。
食堂だからこそ生まれる会話
食堂は、料理を提供する場所です。
しかし、長く店を続けていると、それだけではないことに気づきます。
「今日は暑いね」
「最近どうしてる?」
「仕事が忙しくてね」
そんな何気ない会話が店の中で交わされます。
特別な話ではありません。
それでも、その何気ないやり取りが、私にとっては食堂を続ける楽しみの一つになっています。
お客様と一緒に年を重ねる
長年通ってくださるお客様とは、お互いに年齢を重ねてきました。
昔は仕事の合間に急いで食事をしていた方が、今ではゆっくり食事を楽しんでいたり。
以前はご夫婦で来ていた方が、お孫さんを連れて来てくださったり。
そんな姿を見ると、食堂という場所が、お客様の人生のほんの一部分にでも関われていることを嬉しく思います。
支えていただいたから、今がある
2代目として店を引き継いだ当初は、
「自分がこの店を守らなければ」
という気持ちが強くありました。
しかし、長く続けてきた今は少し違います。
私一人が店を守ってきたのではなく、お客様に店を守っていただいた。
そう感じています。
何度も足を運んでくださる方がいる。
「美味しかったよ」と声をかけてくださる方がいる。
そして、「また来るね」と言ってくださる方がいる。
その一つひとつに支えられて、今日まで店を続けてくることができました。
これからも、
「いつものをお願い」
と言っていただける食堂であり続けたい。
父から受け継いだ店を守りながら、これからも地域の皆さまと一緒に時間を重ねていきたいと思っています。
次回は「那覇で食堂を続けるということ――地元に根を張る商売」をテーマにお話しします。