前に、事務代行の会社の案件やってたことがある。
会社自体はそんな古くなくて、社内の整備もまだまだこれから、って感じだった。特にびっくりしたのが、セキュリティ教育が一切なかったこと。ワーカーって呼ばれる人たち、普通に自分のPCで作業してた。セキュリティにうるさい会社以外は大体そんな感じで、会社として良しとしていたのよね。
(昔、別の仕事でマンションの傷とかをチェックする業務やってたことがあるんだけど、それと似てるなと思う。傷にすごくうるさい客もいれば、そうでもない客もいて、うるさい客の部屋だけ念入りにチェックされたり、傷があると別の部屋の建具と交換になったりする。うるさいかどうかで扱いが変わるのって、結局どこの業界も同じなんだなと。)
さすがにそれはまずいでしょ、と思って「せめて常にリモートデスクトップ経由で作業する形にした方がいいのでは」って言ってみたら、めちゃくちゃ嫌な顔された。
ワーカーの人たちって、正直かなり安い単価で働かされてる。月数十万くらいの料金でサービス成立させようと思ったら、そうなっちゃうのはまあわかる。でも在宅でできるっていう魅力があるから成り立ってる部分もあって、なんか切ないなーと思いながら見てた。女性が多かったしね…。
新しく入るワーカーへのOJTでも似たようなことがあった。マニュアル渡して説明しても、「マニュアル見ればわかりますよね」の一点張り。結局本番当日まで一回も練習せずに、いざ本番で「できません」って言ってくる。しかもそれ、名指しで私が悪かったことにされた。いや、それ違くない?って思いつつ、この人ちょっと能力ない人なのかもなあ、って密かに思ってた(失礼w)。私が担当ならそんなことしない。それってある意味責任転嫁じゃん。
こっちは事前に練習しましょうって何回も言ってたつもりなんだけど、聞く耳持たれない。私は業務委託だったから、強く言う権限もなかった。権力がないってこういうことか、と笑うしかなかった。
面白いのはここから。
契約終える少し前に、年配の社員さんが新しく入ってきた。その人が来てから、会議前に資料読んでおく文化ができ始めたり、セキュリティの話も社内で出るようになった。
私が何回言っても変わらなかったことが、その人が言った途端に動き出した。
その人が優秀だったから、とか、私の伝え方が下手だったから、っていうのもあるかもしれない。でもそれだけじゃなくて、単純に「誰が言うか」で組織の中での重みが全然違うんだと思う。外部の人間とか下請け的な立場からの指摘って、たとえ正しくても「意見」で終わっちゃう。でも内部の、しかもある程度キャリアある人が言うと、それはもう「決定事項」に近い扱いになる。
正直、悔しさもあった。同じこと言ってたのに。でも同時に、組織ってそういうもんだよなーと納得した部分もある。
業務委託っていう立場は、外から構造の歪みが見えやすい一方で、それを変える権限はほとんどない。だからこそ、指摘の仕方とか、誰を巻き込むかを考えるところまでが自分の仕事なんだと思うようになった。
ただ「正しいこと言う」だけじゃ、組織は変わらない。
発言する人って大事だよね。