なぜ3社を経てフリーランスになったのか
デザイナーを目指したのは、シンプルな理由からです。
絵を描くのが好き、ものづくりが好き、そして可愛いものが大好きでした。
学生時代の文房具は全てお気に入りのデザインのもの。
消しゴムのカバーも定規も、可愛いかどうかが選ぶ基準でした。コスメも大好きで、ドラッグストアやバラエティショップに通い、リーフレットを集めては何度も吟味して購入していました。パッケージに貼られたATシールまでコレクションしていたほどです。
そんな私が最初に選んだのは、大好きなコスメのパッケージや販促を作れる代理店でした。
1社目:デザインの「作る側」へ
責任シールの制作からはじまり、販促物、パッケージ、そしてメーカーへの提案まで携わるようになりました。しかし下請けである以上、作ったデザインが本当に売り上げに貢献できたのか、メーカーの担当者に本当に喜んでもらえたのか——その真意を知ることはできませんでした。
2社目:デザインの「理由」を追求する
その答えを求めて、化粧品メーカーのマーケティング部へ。目標売上、店舗展開、棚割り計画、予算管理——ものづくりの全体像が見えるようになりました。
営業チームと連携し、店頭でそのまま使える販促物、直感でわかる組み立て説明書、バックヤードでも見失わないカートン印刷など、商品が消費者に届くまでの導線をデザインで支える経験を積みました。充実していました。でも次の興味は、小売の現場でした。
3社目:消費者に届く瞬間を、現場で見る
入社当時20店舗弱だった小売チェーンで、デザイナーとして9年間働きました。退職時には200店舗を超えるチェーンに成長していました。
販促物は全て社内制作。店舗スタッフが接客に集中できるよう、POPだけで商品説明が完結する仕組みを作り、ブランドの統一感も整えていきました。現場スタッフの生の声がデザインを変え、売り上げを動かす——その手応えを何度も感じました。
テレビで話題になった商品は、放送当日から店頭の反応が変わります。そのスピードにPOPで応えることで売り上げの波に乗れる。コロナ禍では衛生・滅菌関連のデザインをスピード対応しました。どの会社も大企業ではなかったからこそ、現場の温度感を肌で感じながらデザインできたと思っています。
そしてフリーランスへ
代理店、メーカー、小売——ものづくりの発案からお客様が手に取る瞬間まで、デザイナーの目線で一通り経験してきました。
人がものを買う場面は、人生のほんのわずかな時間です。その限られた瞬間に、伝えたいことをまっすぐに、魅力的に届けるのがデザインの力だと思っています。どんなに予算や時間がなくても、デザインがあるとないとでは結果は大きく違う——それを現場で何度も実感してきました。
だからこそ今、フリーランスとして独立し、規模や業種を問わず「デザインでお困りのこと」に寄り添っていきたいと思っています。