私はもともと、SNSをやりたかったわけではありません。
Instagramも、Xも、TikTokも、Threadsも。
当時の私にとっては、どこか「若者がやるもの」くらいの認識でした(笑)。
獣医師として働くなかで、少しずつ働き方を変えたいと思うようになり、副業を探し始めたのがすべての始まりでした。
そこで見つけたのが、
「ペットのオンライン相談」
という仕事でした。
病院へ行くほどではないけれど、誰かに相談したい。
そんな飼い主さんはきっといる。
「これだ」と思いました。
ところが、副業について相談したスクールで言われたのは、
「え、ペット相談?需要ないでしょ。」
という一言。
腹が立ちました(笑)。
その代わりに勧められたのが、SNS運用代行でした。
Instagramなどの投稿を作り、分析し、改善し、商品やサービスへつながる導線を考える仕事です。
デザイン。
動画編集。
マーケティング。
アクセス解析。
獣医師一筋だった私には、すべてが未知の世界でした。
Canva?
リール?
インサイト?
……何それ(笑)。
それでも、本業を続けながら毎日勉強しました。
そして一通り学び終え、今度は仕事を取るために営業を始めました。
Indeed、クラウドワークス、ランサーズ。
応募して、
面接して、
また応募して。
その結果。
600件以上応募して、採用ゼロ。
見事に、一つも受かりませんでした(笑)。
でも、そこで一つ疑問が生まれました。
SNS運用について学んではいる。
けれど、自分自身で育てたアカウントはない。
それなのに、
「SNS運用できます」
と言っていいのだろうか。
だったら、
まず、自分でやってみよう。
そう思いました。
投稿を作る。
分析する。
改善する。
また投稿する。
誰に届けたいのか考える。
プロフィールを書き直す。
また分析する。
全部、自分で試しました。
伸びなければ自分の実力不足。
伸びたら、初めて人にも伝えられる。
だから私は、
自分自身を、最初のクライアントにしました。
もちろん、最初からうまくいったわけではありません。
「これは伸びる!」
と思った投稿ほど伸びず、
「まあ普通かな」
と思った投稿が、なぜか伸びる(笑)。
教科書どおりにはいかないことばかりでした。
そんな中で転機になったのが、Threadsでした。
私は「伸びる投稿」を書こうとしたのではなく、
獣医師として、
自分が本当に大切にしていることを書きました。
診断より先に安心を届けたいこと。
飼い主さんと一緒に考えたいこと。
不安な時に、一人にしたくないこと。
すると、たくさんの方が反応してくれました。
その時、初めて気づきました。
人が求めているのは、情報だけではない。
その人が何を考え、何を大切にしているのか。
そこまで含めて、発信なのだと思いました。
それから私は、
「自分が伝えたいこと」だけではなく、
「今、相手が必要としていることは何だろう」
と考えて発信するようになりました。
これは、今SNSやコンテンツ制作に関わるうえでも、ずっと大切にしている考え方です。
そして不思議なことに、
あれほど落ち続けたSNS運用代行そのものではなく、
今は獣医師として記事を書いたり、
専門情報を監修したり、
SNSの相談を受けたり、
商品やサービスに関わったりしています。
あの頃、
「需要ないでしょ」
と言われたペットのオンライン相談も、少しずつ形になりました。
もしあの時、SNS運用代行の仕事がすぐに決まっていたら。
私は誰かのアカウントを運用して、それで終わっていたかもしれません。
でも、落ち続けたからこそ、
自分のアカウントを育て、
自分の言葉で発信し、
その先でたくさんの人と出会えました。
人生は、思い通りには進まない。
けれど、
思ってもいなかった経験同士が、後から一本につながることがある。
獣医師としての専門性。
SNSを通じて身につけた、伝える力。
そして、相手が本当に必要としていることを考える姿勢。
今はそのすべてを掛け合わせながら、
ペット業界の魅力や価値を、必要としている人へ届ける仕事
をしていきたいと思っています。