ARIGATO EARTHプロジェクト
SIFが現地研修プログラムのSIFアカデミーのプログラムの中で、ラウトカ市役所と連携して進めた「ARIGATO EARTH」プロジェクトでは、一人の女子大生のアイディアが行政を動かす大きな転換点となりました。当初、ペットボトルの回収率を上げるために「金銭的インセンティブ」を付与する提案を行いましたが、現場からは「集積所での現金の管理が難しく不正のリスクがある」と強い懸念の声が上がりました。市役所担当者と学生たちの間で意見交換を積極的に行い、一人の女子大生が「お金が難しいなら、信頼を可視化するスタンプ制にしよう」という代替案を提示したのです。町で買った画用紙にスタンプカードを印刷して一枚一枚ハサミで切って手作りのカードを一緒に作ったあの日は忘れられません。
彼女が慣れない英語で必死に食らいつき、現場の不安を汲み取りながら提案を練り直す姿を、私は一番近くで伴走し、見守り続けました。その熱意は市役所職員に届き、独自のスタンプカード制度の導入という形で、ラウトカ市の住人も多く参加するプログラムへと発展し、多くのペットボトルゴミの回収に寄与しました。
自分の出したアイディアが現地の行政システムに組み込まれ、実際に街の景色を変えていく。その成功体験を経て、彼女の目に自信が宿った瞬間は、今も忘れられません。学生が「正解のない問い」にぶち当たり、泥臭い利害調整の渦中で自ら答えを見出すプロセスこそ、教育の本質であると確信しています。若者が自分の限界を突破し、世界と対等に渡り合っていくその瞬間に寄り添い続けることこそが、私の情熱の源泉です。