組織が「一瞬で消滅した日」に決まった、私のなりわい
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「組織の強さを最終的に決めるのは何か」
組織の力、強さを最終的に決めるのは何だと思いますか
視点や要素は無数にありますが、私はその一つとして「個人の力」だと思っています。
団結力や忠誠心、信頼感といったマインドの面も大切です。マインドで繋がった組織は、平時は非常にうまく機能します。しかし、非常時や危機的な状況で一度綻びが生まれると、組織は驚くほど無力になる瞬間があります。
その瞬間にビジネスの重大局面が動くと、どうなるのか。
最後に頼れるのは、プレーヤー個々人の「スキル」と「メンタル」です。
勝てるサッカーチームを目指すとき、チームワークを強化すればある程度の強さは得られるでしょう。しかし、もう一段上の世界を目指すには、最後はプレーヤーひとりひとりのスキルやメンタルの向上が不可欠だと言われます。
組織も全く同じだと私は考えています。
「優秀な組織」があっけなく消えた瞬間
私はかつて、世間では「優秀な人材が集まっている」と称されていた組織が、本当にあっけなく消滅してしまう光景を「人事として」目の当たりにしました。(詳細は割愛します)
その実体験から学んだのは、残酷なまでの現実でした。
・採用時に優秀だったとしても、学び続けなければスキルは陳腐化する。
・スタッフが個々に優秀でも、適材適所で初めてその能力が発揮される。
・優秀なスタッフが適材適所でも、経営層の判断がプアであれば、ビジネスで負ける。
それらすべてに関わっているのが「人事」という仕事です。所属していた組織が一瞬にしてなくなったあの瞬間、私は「人事を一生の生業(なりわい)として極めよう」と決めました。
「なぜ今、これからのビジネスに自らの経験を活かしたいのか」
私はこれまで30年、10社の異なるフェーズに人事として携わりました。大手から、IPO準備中のベンチャーまで、組織の「光」も「影」も見てきました。その経験に学術的な裏付けを加えるべく、50歳で大学院へ進んで理論や統計を学びました。
昨今、少子高齢化や労働力不足など、課題は山積みです。加えて、数十名から百名規模の拡大フェーズにあるスタートアップには、特有の「産みの苦しみ」があります。
「あの時、もっとこう動いていれば」「あの判断をサポートできていれば」という私の過去の悔しさを、酒のツマミの昔話で終わらせるのではなく、「これからの」ビジネスのためにぜひ活かせれば、と思っています。