面接で使える、信頼される一言
面接の場で想定外の質問が飛んできて、頭が真っ白になる。
この恐怖は誰にでもあります。
そんな時に使える、たったひとつの「魔法の言葉」を伝授します。ただし、これは用法・用量を守らないと即死する劇薬です。
面接で答えに詰まった時、あなたを救う「魔法の言葉」
答えに詰まることは「悪」ではない。
面接官から鋭い質問が飛んできた時。あるいは、自分が全く想定していなかった角度から深掘りされた時。
多くの人はパニックになります。
「沈黙が怖い」
「評価が下がる」
「なにか答えなきゃ」
そう焦って、その場で取り繕った適当な嘘や、まとまりのない長話を始めてしまう。
これが一番の悪手です。
面接官は日頃何人もの応募者と話をしているプロ、あるいは現場の猛者です。
あなたがその場で適当に作った答えなんて、一瞬で見抜きます。
「あ、こいつ今ごまかしたな」と。
その瞬間、信用はゼロになります。
では、どうすればいいか。
この2つの言葉のどちらかを、「1回の面接につき1回だけ」使ってください。
① 「正直申し上げますと、そこまで深く考えておりませんでした」
② 「すみません。緊張で頭が真っ白になってしまったので、少し考えるお時間をいただけますか?」
これだけです。
これを言えるかどうかが、あなたの合否を分けます。
なぜ、この言葉が「信頼」を生むのか
「わかりません」「考えていません」なんて言ったら、評価が下がるのではないか?そう思うかもしれません。
しかし、逆です。
この言葉はプラスに働きます。
理由は2つあります。
1.「仕事でも嘘をつかない人だ」と思われるから
面接は、仕事のシミュレーションです。
実際の業務で、クライアントや上司から分からないことを聞かれた時、あなたはどうしますか?知ったかぶりをして適当な嘘をつきますか?
つきませんよね。
「申し訳ございません、確認不足でした。持ち帰ってすぐに調べます」
そう答えるのがプロフェッショナルです。
面接でも同じです。
分からないことを「分からない」と素直に認められる誠実さ。これは、「分からないことをごまかす能力」よりも圧倒的に高く評価されます。
2.他の回答の「信憑性」が増すから
一度自分の非や不足を認めることで、他のしっかり答えた部分が際立ちます。
「この人は、知っていることは自信を持って答えるし、知らないことは知らないと言う。だから、この人の話は信用できる」 という心理状態(ラポール)を面接官との間に築くことができるのです。
ただし、用法用量には注意してください
冒頭で「1回だけ」と言ったのには理由があります。
この魔法の言葉、乱用は厳禁です。
質問されるたびに、
「わかりません」
「時間をください」
「考えていませんでした」と連発していたら、それはただの「準備不足」であり「能力不足」です。
「ここぞ」という答えにくい質問、本当に困った時の一発。
だからこそ「魔法」として効力を発揮します。
「魔法」がかかる前提条件
そしてもう一つ。残酷な真実を言います。
この魔法は、「魔法がかかる状態」の人にしか効きません。
想像してみてください。
髪の毛がボサボサ
スーツがシワシワでヨレヨレ
遅刻ギリギリで息を切らしている
職務経歴書の中身もスカスカ
そんな人が「正直、そこまで考えていませんでした」と言ったらどうなるか。
「でしょうね」 で終わりです。
逆に、
身だしなみが整っている
職務経歴書が論理的に構築されている
これまでの質問にはハキハキと的確に答えている
そんな「ちゃんとしている人」が、ふと見せる隙や正直さ。
これがあるから、相手は「おっ、正直だな」と信頼してくれるのです。
まとめ:準備に勝る魔法はない
結局のところ、魔法の言葉はあくまで「万が一の時の命綱」です。
命綱があるからこそ、思い切って面接という綱渡りに挑める。
「分からなかったら、素直に言えばいい」 そう思えるだけで、過度な緊張が解け、結果的にパフォーマンスが上がります。
ですが、命綱に頼る前に、まずは足場を固めること。
身だしなみ、マインドセット、そして職務経歴書。
自分が何をしてきて、何ができる人間なのか。
それを徹底的に言語化して準備した人だけが、この魔法を使う資格を持つことができるのです。