公共工事(庁舎・学校)向けBIM導入費用モデルと活用戦略**
公共工事(庁舎・学校)向け
BIM導入費用モデルと活用戦略**
オリエンタルヒルズ株式会社
代表取締役社長 晴山佳須夫
公共工事では、
国土交通省によるBIM/CIM推進方針(原則適用) が進む中、
庁舎や学校建設におけるBIM導入は大きな転換期を迎えています。
民間案件とは異なり、
- 文書整合性
- 透明性
- 維持管理(FM)までのデータ活用
- 複数ステークホルダーの協働
- 施設寿命40〜60年を前提とした長期運用
が求められる点が特徴です。
以下では、庁舎・学校の2タイプに分けて、
最適なBIM導入モデルを示します。
◆ 1|庁舎(市役所・県庁・公共施設)のBIM導入モデル
庁舎建築は、公共工事の中でも
“最もBIM活用のメリットが大きい用途” です。
理由は:
・設備量が多く複雑
・来庁者動線の高度な設計が必要
・後年の維持管理コストが高い
・長寿命(50年以上)でFMデータが非常に重要
だからです。
● 必要なBIM領域
- 建築・構造・MEPの統合モデル(Revit)
- 詳細な干渉検出(Navisworks Manage)
- 4D工程シミュレーション
- BIM 360による文書管理(Docs)
- 維持管理(BIM-FM)のモデル整備
- 公共発注者向けの成果品仕様に対応(IFC必須)
● モデリング費用(概算)
庁舎規模:延床5,000〜20,000㎡
費用:300〜900万円
庁舎規模:延床5,000〜20,000㎡
費用:300〜900万円
※設備(電気・空調)の複雑度が費用に大きく影響。
● 必要ライセンス数
- Revit:5〜12名
- BIM 360 Docs/Build:15〜30名
- Navisworks Manage:2〜5名
● プロジェクト総額(目安)
合計:700〜1,600万円
合計:700〜1,600万円
● 期待できるROI(費用対効果)
- 設備干渉の削減
- 遅延リスクの早期発見
- 行政側の確認・承認プロセスの効率化
- 工事記録の履歴管理
- 最重要:長寿命施設のFMコスト削減(年数百万円規模)
→ ROIは2.0〜4.0倍に達することが多い
◆ 2|学校(小中学校・高校・特別支援学校)のBIM導入モデル
学校建築は、
“複雑すぎず、標準化しやすい” 用途であるため、
コストを抑えつつ高いBIM効果が期待できます。
特徴:
・教室の反復が多い
・標準仕様が多い
・地域ごとに耐震・防火基準が厳しい
・竣工後の維持管理が重要(40〜50年運用)
● 必要なBIM領域
- 基本設計・実施設計のBIMモデル(Revit)
- 標準化されたMEPモデル
- Navisworksによる基本干渉検出
- BIM 360による図面・施工管理
- 維持管理向けの簡易FMデータ
● モデリング費用(概算)
学校規模:延床3,000〜10,000㎡
費用:150〜450万円
学校規模:延床3,000〜10,000㎡
費用:150〜450万円
※マンション同様、教室などの反復で効率化。
● 必要ライセンス数
- Revit:3〜8名
- BIM 360 Docs/Build:10〜20名
- Navisworks:1〜3名
● プロジェクト総額(目安)
合計:350〜900万円
合計:350〜900万円
● 期待できるROI
- 空調・照明設備の配置最適化
- コスト見積りの誤差削減
- 施工段階での手戻り減少
- 維持管理(備品・設備)の効率化
→ ROIは2.5〜4.0倍に達するケースあり
◆ 公共工事のBIMが民間と異なる“3つの重要ポイント”
① IFC(オープンBIM)必須
公共発注では IFC形式での納品要件 が標準化しつつある。
→ RevitベースでもIFC整合チェックが必要。
② FM(維持管理)まで含めた情報精度
庁舎・学校は寿命40〜60年。
→ 図面だけでなく設備データ(メーカー・型番・点検周期等)がFMに直結。
③ 行政側の承認プロセスが改善される
行政職員はCADではなく、
3DビューやBIM360のレビュー機能 を使うため、
確認スピードが大幅に上がる。
◆ 用途別比較まとめ
種別モデリング費BIMソフト費総額ROI目安
庁舎(公共施設)
300〜900万円
200〜400万円
700〜1600万円
2.0〜4.0倍
学校(小中高)
150〜450万円
150〜300万円
350〜900万円
2.5〜4.0倍
**◆ 結語:公共工事 × BIMは
「社会インフラの持続性を高める投資」である**
公共工事は民間よりも
透明性・説明責任・維持管理
が重視されます。
そのため、BIMの価値が最大限に生きる領域です。
- 設計の透明性向上
- 施工プロセスの可視化
- 不具合の事前検知
- 維持管理の最適化
これらはすべて住民サービスの質向上につながります。
オリエンタルヒルズ株式会社では、
庁舎・学校の実用に耐える
公共工事向けBIM導入ロードマップ
を策定し、自治体と建設企業の双方が成果を得られるプロジェクトを支援しています。