DXの成果は“小さな成功”から始まる──オリエンタルヒルズの支援現場から
DXの成果は“小さな成功”から始まる──オリエンタルヒルズの支援現場から
オリエンタルヒルズ株式会社
代表取締役社長 晴山佳須夫
DXという言葉は広まりつつありますが、
“何から始めればいいのか分からない”という声は、依然として多く耳にします。
当社が支援する現場でも、最初は不安を抱えていた企業が、
一歩踏み出すことで確かな変化を実現してきました。
今日は、その中からいくつかのケーススタディをご紹介しながら、
DXが実際にどのような価値を生み出すのかをお伝えしたいと思います。
◆ Case 1:紙の管理表をクラウド化──作業時間が1/3に
ある製造業の企業様では、
現場の進捗管理を紙のチェックシートで行っていました。
- 手書きで更新
- 担当者ごとに管理方法が異なる
- 最新の情報が共有されない
こうした課題が積み重なり、
「状況を把握するだけで半日かかる」状態でした。
そこで当社は、
“現場の使い方に合わせたクラウド管理システム” を構築。
導入後、現場からはこんな声が上がりました。
- 情報共有がリアルタイムで可能に
- 報告作成の自動化により作業時間が1/3に
- 属人化していた管理が標準化
技術導入そのものより、
「使われる仕組み」に調整したことが成功の要因でした。
◆ Case 2:予約管理をデジタル化して売上を最大化
サービス業の企業様では、
電話での予約受付に多くの時間が割かれ、
取りこぼしも頻発していました。
当社が開発した
オンライン予約管理システム に切り替えたところ、
- 予約受付の工数が70%削減
- 深夜・営業時間外の予約数が大幅増加
- 顧客データをもとにした再来施策が可能に
結果として、
月間売上が過去最高を更新するほどの効果が得られました。
テクノロジーが顧客体験の入口を変える好例です。
◆ Case 3:サブスクリプション事業の基盤構築で“継続率アップ”を実現
別の企業様では、会員制サービスを運営していましたが、
- 顧客情報が点在
- 継続率の分析が困難
- 運用負荷が高い
といった課題がありました。
当社は
サブスクリプション管理基盤の統合構築
を行い、次のような成果につながりました。
- 顧客行動を分析できるようになり退会率が改善
- メール・アプリ通知の最適化でファン化を促進
- 社内業務の一元化で管理コストを削減
“事業そのものを成長させるDX”の典型的なプロジェクトです。
◆ Case 4:中小企業向けDX──小規模から始めるステップ戦略
DXは大きく始める必要はありません。
むしろ、小さく始める方が成功確率は高くなります。
当社が行った中小企業支援では、
まずは 業務棚卸し → 小規模ツール導入 → 現場運用 → 拡張
というステップを採用。
その結果、
- 現場の不満が減少
- 経営者自身がデータを使った判断に慣れる
- 「次は何を改善しようか」という前向きな空気が生まれる
という、組織全体の変化を実現できました。
DXとは、システム導入ではなく、
“現場が変わる体験”の積み重ねなのです。
◆ ケーススタディから見えた共通点
どの事例にも共通していたのは、
次の三つのポイントでした。
1. 小さく始めて早く改善する
一度で完璧なDXは存在しません。
改善を前提とした導入こそ、成功への近道です。
2. 現場の声を深く理解する
企業の“本当の課題”は、会議室ではなく現場にあります。
技術は現場に寄り添ってこそ活きます。
3. 経営者の意思がDXの速度を決める
「進む」と決断するリーダーがいる企業は、圧倒的に強い。
DXは、未来への意思決定そのものです。
◆ おわりに──実績の裏側にあるもの
これらのケーススタディは、
どれも技術の話に見えて、その本質は“人と組織の変化”にあります。
オリエンタルヒルズ株式会社は、
単にシステムを提供する企業ではなく、
「企業が変わる瞬間をつくる伴走者」
でありたいと考えています。
これからも現場から学び、
技術の力を企業の未来へとつなぐ取り組みを続けてまいります。