【松野翔太:堺市/教師】朝のコーヒーが教えてくれた、仕事とアイデアの意外な関係
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ある朝、出社前にいつものカフェでコーヒーを待っていると、ふと気づいたことがあった。目の前で店員さんが手際よくエスプレッソを淹れる動作や、カップを渡すときのさりげない笑顔、それだけで空気が柔らかくなる瞬間がある。普段は慌ただしく通り過ぎる風景なのに、立ち止まって観察することで、人と人とのやり取りの美しさに気づけるのだ。
会社に着くと、その感覚を無意識に仕事に持ち込んでいた。メールの文章ひとつ、会議での発言の仕方、ちょっとした表現の工夫が、周囲の反応や空気感に大きく影響することを再確認した。人の行動や態度は小さな工夫の積み重ねで変わる。それを見逃さずに意識するだけで、チームの雰囲気やアイデアの流れが変わるのだ。
さらに面白いのは、朝のコーヒーで感じた「間の取り方」が、仕事のアイデアにも影響を与えることだった。店員さんが手を止める一瞬の間や、カップを差し出すタイミングにはリズムがあり、それを見ていると自然に自分の思考にも余白が生まれる。急ぎすぎず、焦らず、考える時間を意識的に作ることで、新しい発想が出やすくなることに気づいた。
この小さな体験から、僕は日常の中にある些細な動作や時間の流れを観察することの価値を再認識した。通勤途中や会議前の短い時間でも、人や環境に意識を向けることで、自分のアイデアや発想が変化していく。朝のコーヒーは単なる習慣ではなく、思考のスイッチを切り替えるための儀式になったのだ。
職場でのチーム作りにも同じことが言える。ちょっとした気遣いや視点の工夫が、信頼や創造性を育てるきっかけになる。大きなプロジェクトや戦略の前に、まずは日常の小さな行動を丁寧に観察し、そこから学ぶ。僕にとって、朝のコーヒーはその大切なヒントをくれる存在になった。