【前嶋拳人】プロジェクトは「秘密基地」
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私は昔から「秘密基地」を作るのが大好きでした。家の裏の空き地や、公園の隅っこで、友達と協力して段ボールや木の板を組み立て、自分たちだけの特別な空間を作る。大人になった今、私が作っているのは物理的な秘密基地ではありません。それは、クライアントと私、そして時にはチームメンバーと作り上げる「プロジェクト」という名の秘密基地です。
秘密基地の設計図と資材集め
秘密基地を作るには、まず設計図が必要です。どんな形にするか、どんな機能を付けるか。これはプロジェクトにおける「要件定義」や「設計」に当たります。クライアントの「こういうものが欲しい」という漠然としたアイデアを、具体的な形に落とし込んでいく。そして、その設計図をもとに、必要な資材(技術スタックやリソース)を集めます。
時には、設計図通りにいかないこともあります。資材が足りなかったり、予想外のトラブルに直面したり。そんな時は、知恵を絞り、代替案を考えます。この「どうすればできるか」を考える過程こそが、エンジニアとしての醍醐味だと感じています。
秘密基地の住人たち
秘密基地は、一人では作れません。そこには、それぞれの得意分野を持つ「住人たち」が必要です。
プロジェクトマネージャーは、秘密基地の設計図を管理し、資材の調達や作業の進捗をスムーズにする司令官。デザイナーは、秘密基地の見た目をかっこよく、使いやすくする装飾家。そして、エンジニアである私は、骨組みを組み上げ、電気や水道を通す技術担当です。
みんながそれぞれの役割を果たし、協力し合うことで、一つの秘密基地ができあがっていきます。フリーランスとして一人で作業することも多いですが、この「共同作業」の感覚は、今も大切にしています。
秘密基地の完成、そして次の冒険へ
長い時間をかけて、ようやく秘密基地が完成した時。最初にクライアントがイメージしていたものとは違う形になっているかもしれません。しかし、それはより良い秘密基地に進化しているはずです。
完成した秘密基地は、クライアントのビジネスという「冒険」の拠点になります。そして、私たちは次の新しい秘密基地を作るために、また別の冒険に出発するのです。
この時期、新しいプロジェクトが次々と立ち上がり、私はたくさんの「秘密基地」を作っています。一つ一つの秘密基地に、私の技術と情熱が詰まっています。