〈桜井隆二〉【国分寺市】現場の混沌から見えた、「理想の設計」のかたち
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国分寺市在住、フリーランスエンジニアの桜井隆二です。
SIerでの経験を経て、現在は複数のスタートアップでシステム開発を支援しています。
大企業とスタートアップ、両方の現場を経験して気づいたことがあります。
それは「理想の設計」は、環境によって全く異なるということです。
SIer時代の「完璧な設計」
大手SIerで基幹系システムを開発していた頃、私たちが目指したのは「完璧な設計書」でした。
詳細な要件定義、緻密な設計ドキュメント、何重ものレビュープロセス。
確かに堅牢なシステムが生まれましたが、その代償として、意思決定に時間がかかり、
変化への対応が困難でした。
スタートアップの「混沌」から学んだこと
独立後、スタートアップ企業と関わるようになって衝撃を受けました。完璧な設計書はない。
要件は日々変わる。リリース後も大幅な仕様変更が入る。最初は戸惑いましたが、
この「混沌」の中にこそ、本質的な価値がありました。
重要なのは「変化に耐えられる設計」であり、「完璧であること」ではなかったんです。
本当に必要な設計思想
両方の現場を経験して辿り着いた答えは、「状況に応じた最適解を選べること」です。
堅牢性が求められる基幹システムには緻密な設計を。スピードが求められるプロダクトには柔軟な設計を。
どちらが正しいかではなく、何が求められているかを見極める。
これが、技術者として最も大切なスキルだと思います。
真摯に向き合うということ
「技術と真摯に向き合う」とは、特定の手法に固執することではありません。
クライアントの課題、プロジェクトの性質、チームの状況を見極め、その時点での最適な選択をする。
その誠実さこそが、エンジニアとしての価値だと信じています。
国分寺の静かな環境で、日々そんなことを考えながらコードを書いています。