【高倉友彰】システムを育てる庭師の話
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皆さんは「庭師」と聞いて、どんな仕事を思い浮かべますか?樹木の剪定をしたり、草花の手入れをしたり、庭園全体を美しく保つプロフェッショナルですよね。
僕の仕事であるシステム開発も、実はこの「庭師」の仕事にとてもよく似ているな、と感じることがあります。
僕たちが作る「システム」は、まるで一つの「庭」です。
お客様のビジネスという大地に、要件定義という設計図を描き、プログラミングという種を蒔きます。最初は何もないところから、少しずつ芽が出て、枝が伸びて、やがて立派な木(機能)へと成長していきます。
この過程で、僕たちエンジニアは、庭師のように様々な作業を行います。
まず、「剪定」です。
システムが成長していくと、どうしても不要なコードや、複雑になりすぎた処理(無駄に伸びた枝葉)が出てきます。これらをそのままにしておくと、システム全体の見通しが悪くなったり、パフォーマンスが落ちる原因になります。
そこで、僕は定期的にコードの「剪定」を行います。無駄な処理を削ぎ落とし、シンプルな構造に戻すことで、システム全体の風通しを良くし、将来的なメンテナンスを容易にします。これは、単に動けば良い、という考え方ではなく、長期的な視点でシステムを健全に保つための重要な仕事です。
次に、「雑草取り」です。
システムの運用を開始すると、予期せぬ不具合やバグ(雑草)が、どこからともなく生えてくることがあります。これらの「雑草」は放置しておくと、システムの安定性を損なったり、セキュリティ上の問題を引き起こしたりします。
僕は、日々の運用の中で、この「雑草」をいち早く見つけ出し、根こそぎ取り除く作業を地道に続けます。ユーザーのフィードバックやログを丁寧に確認し、小さな不具合も見逃さずに対応することで、システムの美しい庭園を保ちます。
そして、最も大切なのが「水やり」と「肥料」です。
システムは、一度作ったら終わりではありません。日々変化するお客様のビジネスに合わせて、新しい機能を追加したり、既存の機能を改善したり(水やりや肥料を与える)する必要があります。
僕たちは、お客様とのコミュニケーションを通じて、どんな機能が必要か、どんな課題があるのかを丁寧に聞き出し、それをシステムの成長に活かします。まるで、庭師が植物の様子を観察し、必要な栄養分を与えてあげるように、お客様のビジネスがより大きく花開くように、システムを育てていきます。
現在、僕はスタートアップ企業を中心に、様々な「庭園」のお手伝いをしています。どの庭園も、それぞれに個性があり、全く同じものはありません。
お客様の想いが詰まった「庭」を、技術という力で、より美しく、より力強く育てていく。
この仕事に、僕は大きなやりがいを感じています。
もし、ご自身の「ビジネスの庭」を一緒に育てていきたい、という方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にお声がけください。