看護師の私がSNSマーケターを志望するわけ
まず、なぜ私が看護師になったのか、どんな看護師の仕事を経験してきたのかを話します。
現在30代の2児のママですが、この職業に就きたいと思ったのは自分が中学生の時からでした。
私が幼稚園児だったころ父はある大病をし、長期入院をしていました。優しくテキパキ仕事をこなす看護師さん。「担当看護師さんが本当によくしてくれた」と退院後何年経っても話す父。
人の心まで癒したり、記憶に残る素敵な仕事なんだな。子供ながらに すごい! 私もなりたい!!
そこからずっと看護師になることだけを夢見て叶え、今日まで約10年働いてきました。
最初に就職したのは大学病院。部署は心臓血管外科・消化器外科・呼吸器外科・乳腺外科・形成外科・高次救命救急バックベッドのある超急性期の病棟。
私がいた病棟が院内でも複雑なオペを毎日扱う、超多忙な部署でした。人を救うはずの医療。
でも、急変し救えない命もあったり、おなかに自らナイフを突き刺し入院してくる人も。
また、多忙の業務を「こなす」ことに注力する日々。時間通りに仕事を遂行することにいつの間にか必死でした。
命を扱う仕事に誇りをもっていたはずなのに、ベルトコンベヤーの流れ作業的に毎日仕事をして、患者さんと話しをする時間でさえも惜しいと思うほど 自分のことしか考えられなくなっていました。命の重さがあまり感じられなくなり、感覚がマヒしていました。
あるときぽっかり心に穴が開いたような、 ”何のために看護師になったのか?”
目的を見失い、あれだけあこがれていた職業であったはずなのに、毎日苦しくて泣きながら仕事に向かう日々。とても耐えられなくなり、ここでは私のしたい看護師の仕事はできない と転職しました。
その後、在宅医療へ。
そこでは、一人ひとりに向き合う時間が区切られているため 前職でできなかった
”一人ひとりに向き合う” ”誰かの心まで癒す”
そんなことを想い、「寄り添う看護師になること」を目標に仕事をしました。
・がんや慢性疾患患者の訪問看護・看取り対応
・医師・ケアマネ・ヘルパー等との連携・調整
・家族との信頼関係構築/終末期ケアの相談支援
・ケースカンファレンスの開催提案・主導
・社内症例検討会の開催・品質向上への貢献
ここで5年以上勤め、出産もし、たくさんお看取りもさせていただき、上記のような経験も積みました。
1人目の子供が生まれ育児休暇を取得中、ある時自分の働き方やその価値観を振り返るワークショップに参加しました。
ふと 一人ひとりに向き合うことはできたかもしれない。
でも本当の意味で医療では誰かの心まで癒すことは難しいのではないかと気づきました。
医療者がどんなに寄り添ったとしても、
・がん患者さんとその家族を癒すこと
・精神的に不安定な方が薬がなくても安心だと感じれること
・身寄りがない患者さんの寂しさを埋めること・・・
たくさんのいろいろな事情を抱えた人たちを心から救うことは難しかった。看護師のしごとにある意味限界を感じました。
そんな時に出会ったのが、マーケティングでした。マーケティングは単に商品を売る行為ではなく、価値や想い、そして人々の生活をより豊かにする体験を届けられる力だと思います。
このスキルを磨き、必要なひとに価値を見つけてもらい、心からの笑顔が広がる瞬間を創る仕事がしたいです。
そして一番身近であったSNSの運用に携わりたいと考え、その道を志し進んでいます。
また、私は気づいたのです。マーケティングと看護師の仕事は何か似通っているということを。
それは「本質的な課題を見抜く分析とアセスメントにより、改善していく」という点です。
看護師の仕事で、重症患者や呼吸器管理を必要とするケースを担当する中で、バイタルやモニターのわずかな変化から状態を正確にアセスメントする力を磨きました。
SNSマーケターとして、投稿データやインサイト分析からユーザーの行動や心理を読み解く際に、この「見えない要因を丁寧に掘り下げ、仮説を立てて改善に活かす力」が非常に役立つと思っています。単なる数値の上下にとどまらず、「なぜそうなったのか」に着目することで、より精度の高い改善提案を行っていきます。