独立してからこの時期になると、ありがたいことにご依頼が途切れません。特に今年は、複数のスタートアップ企業様から「古いシステムをAWSに載せ替えたい」「オンプレミスのサーバーからクラウドに移行したい」というご相談を多数いただきました。
これ、例えるなら「システムの引越し」です。
想像してみてください。長年住み慣れた家には、思い出の品や、どこに何があるか分からなくなってしまったものまで、たくさんの物が詰まっていますよね。
それを新しい家に引越しするとなると、ただ荷物を運ぶだけではありません。本当に必要なものを選別し、不用品は処分し、新しい家の間取りに合わせて配置を考える。
私がこの時期に手掛ける仕事は、まさにそれと似ています。
クライアント様の既存システムは、何年もかけて機能を追加し、修正を繰り返してきた「思い出の家」です。そのままでは新しいクラウド環境にフィットしない部分も多く、時にはコードを一から書き直したり、新しいデータベースに移行したりといった作業も発生します。
そこで私が重視しているのが、単に「引越し」を成功させるだけでなく、その過程でクライアント様のビジネスをより良くすることです。
例えば、引越し作業と並行して、これまで手作業で行っていた業務を自動化するツールをPythonで開発したり、インフラをDockerでコンテナ化して開発・運用を効率化したりします。
これは、新居への引越しを機に、間取りを大幅に変更して、より住みやすい家にリノベーションするようなものです。
この仕事の面白いところは、クライアント様それぞれの「家」の歴史や、抱えている課題が全く違うことです。
ある企業様では、ECサイトのパフォーマンス改善が喫緊の課題でした。私は、ボトルネックとなっている部分を特定し、AWSのサービスを組み合わせてサーバー構成を見直すことで、処理速度を大幅に向上させました。
また別の企業様では、社内ツールのリプレイスがテーマでした。非エンジニアの方々が日々の業務でストレスを感じていた部分をヒアリングし、ReactやLaravelを使って使いやすいUIに作り変え、業務効率を改善しました。
毎回違う課題に、自分の技術と経験をフル活用して向き合う。そして、クライアント様のビジネスが目に見えて良くなっていくのを見るのは、何物にも代えがたい喜びです。
この夏の「引越し」を終え、秋からは新しい「家」で、より快適に、よりパワフルにビジネスを展開していくクライアント様の姿を想像すると、私自身もワクワクしてきます。
これからも、システム開発を通じて、様々な企業様の「引越し」をサポートしていきたいと思っています。