【阪田和典】「真夏の夜の作戦会議」という名の花火
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僕は今、自分の仕事を「真夏の夜の作戦会議」と呼んでいます。
Wantedlyをご覧の皆さんの中には、「作戦会議」というと、何やら堅苦しい会議室での白熱した議論を想像する方もいるかもしれませんね。
僕の作戦会議は、少し違います。
夜の帳が下りた頃、クライアントのスタートアップ企業の代表やメンバーとオンラインで繋ぎ、僕たちはそれぞれのパソコン画面を見つめます。
そこにあるのは、無数のデータ。
Webサイトのアクセス数、SNSのインプレッション、広告のクリック率...。
それらの数字を一つひとつ紐解きながら、まるで星図を読み解く天文学者のように、未来の戦略を練っていきます。
この作業は、まさに「花火」の打ち上げ準備です。
花火は、ただ空に打ち上げれば良いというものではありません。
色、形、大きさ、そして打ち上げるタイミング。全てを緻密に計算し、最高の瞬間を創り出すために、入念な準備が必要です。
僕たちの作戦会議も同じです。
データという名の「火薬」を、どのような「筒」(施策)に詰めるのか。
どのタイミングで「火」(実行)をつけるのか。
そういったことを、夜な夜な話し合います。
たとえば、最近担当したあるプロジェクトでは、新しいWebサービスをローンチする際のマーケティング戦略を立てていました。
「どうすれば、一番多くの人にサービスの存在を知ってもらえるか?」
この問いに対して、僕たちは過去のデータや競合分析を徹底的に行い、一つの「花火」を打ち上げることにしました。
具体的には、特定のターゲット層に響くようなSNS広告と、サービスへの興味を惹くような記事コンテンツを組み合わせたキャンペーンです。
「この花火は、きっとたくさんの人の目に留まるはずだ」
僕たちはそう信じて、夜遅くまで作戦を練り続けました。
そして迎えたローンチ日。
僕たちが打ち上げた「花火」は、想像以上の輝きを放ちました。
SNSでは多くの反響があり、記事コンテンツもSNSを通じて拡散され、多くの人々にサービスが届きました。
僕たちの「作戦会議」が、最高の「花火」を打ち上げるための重要なプロセスだったことを、改めて実感しました。
もちろん、全ての作戦が成功するわけではありません。
データが示す未来と、実際の反応が異なることもあります。
でも、失敗した花火は、次の成功につながる貴重な教訓を与えてくれます。
「なぜ、あの花火は不発だったのだろう?」
「もっと大きな花火を打ち上げるには、どうすれば良いだろう?」
そういった反省と考察が、僕たちの「花火」を、より美しく、より大きく成長させてくれます。
真夏の夜に、最高の「花火」を打ち上げるために。
僕たちの「作戦会議」は、これからも続きます。