子どもたちの夢
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私は、人とコミュニケーションをとるのが、あまり得意な方ではありません。
大人なので、それなりに合わせたり、仕事ではその場が円滑にいくよう努めたり
普通にふるまうことはできますが、
帰ってくると「今日も疲れたなぁ…」と思ってしまうのです。
かといって、ずっとひとりでいるのも寂しい。
おいしいものを囲んで、誰かとワイワイするのは大好きです。
だから、山奥にこもって一人きりで暮らすような生活は、きっとできないと思います。
今、私はふたりの子どもを育てながら暮らしています。
小学生と中学生。毎日40人近くの子どもたちが、同じ教室で、
45分ごとに区切られた授業を受けている。
あまり興味のないことも、次から次へと覚えなくてはいけない。
ほんとうに大変だなあ、と感じるのです。
自分も、よくやってたな…と。
でも、最近の子たちは私たちの頃よりも、もっと敏感で、もっと鋭い。
友だちもいるし、勉強が極端に苦手なわけでもない。
それでも朝になると、
「学校、行きたくないな〜」
「何のために学校行くの?」
そう言う日があります。
わかります。とてもよくわかる。
できることなら、好きなことだけを思いきりできる毎日を過ごしてほしい。
でも現実では、やっぱり「行っておいで」と送り出すしかないのです。
そんな姿を見るたび、つい自分のことを思い出します。
私は、いわゆる「優等生」タイプでした。
勉強を頑張って、親の期待に応えて進学校に入りました。
本当は美大や服飾の専門に行きたかったけれど、家の経済状況を考えると難しく、親が喜びそうな短大の英文科を選びました。
ホームステイも、英語の本格的な勉強も、積極的には言い出せなかった。
結果として英語はあまり身につかず、卒業後は中小企業に新卒で就職。
その後、ようやくデザインの仕事に出会い、今に至ります。
今、母となって思うのです。
自分の子どもたちには、魂が「これをやりたい!」と叫ぶ方向に、進んでほしい。
でも現実は、そんなにシンプルじゃない。
上の子はもう、親が敷いたレールの上を歩き、自分が何をしたいのかわからなくなっているように見えます。
でも、下の子は。
幸運にも「野球」という、夢中になれるものを見つけました。
テレビの中の大谷選手を、キラキラした目で見つめています。
親として、この芽を決して摘んではいけないと思っています。
時代は、AIの進化などで、どんどん変わっている。
なのに、学校の教育はあまり変わらず、子どもたちがそのギャップに戸惑っている。
それでも願います。
すべての子どもたちが、今の息苦しさの中でも、
胸が高鳴るような、「生きがい」に出会えますように。