パワハラと育成の違い~本気の叱責を受けた夏の記憶~
大事なポイントを一つお伝えしたいと思います。
あの夏の日、
畑の野菜を勝手に収穫して帰った僕に、
叔父さんは本気で怒ってくれました。
「バカ野郎か!お前たちは!」
「それは泥棒なんだぞ!」
「お百姓さんがどれだけ手間をかけて育てたか、わかってるのか!」
大声で怒鳴られたあの光景は、
今でも僕の脳裏にはっきりと焼きついています。
では、聞いてください。
僕はあのとき“パワハラを受けた”と感じていたでしょうか?
とんでもありません。
僕は現在46歳になりますが
あのとき怒ってくれた叔父さんに、
心の底から感謝しています
なぜなら、
誰もが見逃してしまいそうな幼い過ちに対して、
本気で向き合い、真正面から「違う」と教えてくれたから。
あの怒りは、
愛情であり、責任感であり、教育だったんです。
現代社会には、
この「本気のフィードバック」が足りていないと思いませんか?
スキルややり方を教える大人はたくさんいる。
でも、“あり方”を伝える大人は、極端に少ない。
私は今、経営者として社員の育成に日々取り組んでいます。
やり方=How to の指導も大切ですが、
それ以上に重視しているのが、“あり方”の教育です。
なぜか?
それは、思いやりのある人間が、思いやりのある商品やサービスを生み出すからです。
逆に、人の痛みに鈍感な人間、配慮のかけた人間がつくる商品には、温度がない。
テクニックよりも人格。
ノウハウよりもスタンス。
私は、そう信じています。
耳の痛いことを伝える勇気。
嫌われるかもしれないけれど、本気で相手を思って伝える言葉。
それができる大人が、もっと増えてほしい。
そう強く願っています。