【城間勝行】真夜中の開発は、まるで「夜釣り」だ
Photo by Aditya Vyas on Unsplash
こんにちは、フリーランスエンジニアの城間勝行です。
日が暮れて、街の喧騒が静まり返る時間。皆さんは何をしていますか? 私はというと、決まってこの時間に一番集中力が高まります。
深夜1時。クライアントからのSlack通知も止み、静寂が支配する部屋で、キーボードを叩く音だけが響く。この時間帯の開発は、まるで「夜釣り」に似ていると感じています。
まず、昼間とは違う「獲物」に出会える。
日中の開発は、急な仕様変更や会議、問い合わせ対応といった「突発的な波」にさらされがちです。まるで、大勢の釣り人がいる賑やかな釣り堀で、次々と魚を釣り上げるようなもの。確かに成果は出やすいですが、じっくりと大物を狙うことは難しい。
一方、夜は違います。誰にも邪魔されない静かな環境で、特定の課題に深く潜り込むことができます。日中にどうしても解けなかったアルゴリズムの謎、パフォーマンスのボトルネック、なぜか動かないバグ。これらとじっくりと向き合うことで、思いがけない解決策や、より洗練されたコードに行き着くことがあります。
まるで、昼間は姿を見せない巨大な魚を、静かに待つ夜釣りのようです。
そして、夜釣りには「ロマン」がある。
会社員時代、納期に追われ、夜遅くまで同僚と缶コーヒーを片手に開発をしていた日々。当時は辛くもありましたが、不思議と充実感がありました。みんなで一つの目標に向かって、静かに、しかし熱く燃えている。真夜中のオフィスで、エラーログを前にため息をついたり、奇跡的に動いたときの小さなガッツポーズをしたり。あの時間には、チームの一体感を生む、特別なロマンがありました。
フリーランスになった今、一人で「夜釣り」をすることも増えました。しかし、そのロマンは変わりません。新しい技術を学ぶためのサイドプロジェクトや、クライアントのプロダクトをより良くするための地道な改善。誰にも知られず、しかし確実に価値を高めていく。その過程は、何時間もかけて大物を釣り上げた時の達成感に似ています。
完璧なプロダクトなど、一日や二日で生まれるものではありません。 地道な努力と、夜の静かな時間だからこそ向き合える「深い課題」への探求心。それが積み重なって、プロダクトは成長していく。そう信じて、今日もキーボードを叩き続けます。