街を歩いていると、秋風に舞う落ち葉に目を奪われることがある。一枚一枚はただの枯れ葉なのに、歩道に積もった途端に模様を描いたり、風の流れを可視化したりする。その光景を見ながら、ふとチームの在り方に重ねてしまった。
職場にいる一人ひとりも、日常では自分のタスクや役割に集中している。単体で見れば小さな点にしか見えない存在でも、集まった瞬間に想像以上の力を持つことがある。落ち葉が一方向に吹き寄せられて道を変えるように、チームも一人の行動が周囲に影響を与え、結果として全体の流れを変えてしまうのだ。
興味深いのは、落ち葉は自分で並ぶ場所を決めないということだ。風に運ばれ、互いに重なり合い、偶然の配置が美しい模様を生み出す。これを見ていると、計画通りに人を動かそうとするよりも、予測できない動きや思いがけない関わりを受け入れることが、チームの自然な成長につながるのではないかと感じる。
もちろん落ち葉は季節が過ぎれば掃き清められてしまうが、その一瞬にしかない形が確かに存在する。仕事のプロジェクトも同じで、永遠に続くものは少ない。その短い期間の中でどう集まり、どんな模様を描くのか。そのプロセスにこそ価値があるのだろう。
私は最近、会議で意図しない脱線や、雑談から生まれる小さなアイデアにこそチームの面白さが宿ると気づき始めている。効率や成果を求めるばかりでは見逃してしまうものだが、落ち葉の偶然の重なりが美しさを生むように、仕事でも予期しない要素が全体の景色を豊かにすることがある。
つまりチームビルディングとは、全員を同じ方向に整列させることではなく、舞い散る落ち葉のような個々の動きを受け入れて、そこから自然に生まれる模様を大切にすることではないだろうか。思い通りに配置できないからこそ、予想を超える成果が立ち上がる。その瞬間を信じて、私は今日も仲間と歩いている。