【本田教之】オフィスの窓から見える未来を、僕らはどう描くのか
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朝、オフィスの窓から街を見下ろすと、無数の窓に光がともっている。それぞれの光の中で、誰かが今日も仕事に向かい、何かを生み出している。僕はその光を見ながら、自分たちのチームがどうしたらもっと自由に、もっと効率的に働けるかを考えていた。
僕が入社した当初、プロジェクトの進め方は決められた手順通りで、自由度はほとんどなかった。しかしある日、リーダーが言った。「やり方に境界をつけるな。まず自分で考え、試して、失敗していい」と。その言葉はチームの働き方を変え、僕たちの仕事観も変えた。境界をなくすということは、上下関係や職種の線引きだけでなく、日々の業務のルールや固定観念をも見直すことだった。
チームでは週に一度、誰でも提案できる時間を設けている。エンジニアが営業の視点から意見を出したり、デザイナーが開発のプロセスに関わることもある。初めは戸惑うメンバーもいたが、やがて各自の強みや視点が交差することで、新しいアイデアが生まれるようになった。僕も営業経験はないが、技術チームと話す中で、思わぬ課題解決のヒントを見つけることがある。
あるプロジェクトでは、地方の中小企業とオンラインで連携する機会があった。普段接することのない地域や文化に触れ、どうすれば双方の強みを活かせるかを考えるのは簡単ではなかった。しかし「境界なき連携」を意識した結果、リモートでの共同作業がスムーズに進み、予想以上の成果が出せた。この経験は僕に、働く環境や場所の制約を超える価値を実感させてくれた。
僕たちの会社ではフリーランスや正社員、経験者や未経験者問わず、誰もが挑戦できる環境を作ることを大切にしている。自分のキャリアの枠を自ら広げることで、これまで見えなかった可能性に気づくことができる。それは単に給与や役職の話ではなく、自分自身の成長や社会への貢献に直結している。
窓から見える光は、今日も街のあちこちで働く人々を映している。その一つ一つの光が未来を形作る可能性だと考えると、自分の仕事の意味やチームの在り方を考えずにはいられない。僕らはまだ途中だが、境界をなくし、挑戦を受け入れることで、新しい働き方と未来を描き続けていく。