産前産後ケア事業を通して、私たちが目指す未来の話
プレAラウンドにて1.5億円の資金調達を実施しました
ビジネスの世界も一般会社員も経験したことのない、何者でもない普通の助産師だった私が、大変ありがたいことに創業2ヶ月でYazawaVenturesさんからプレシード調達をさせていただいてから、今回が3回目。累計金額で2億円以上の調達になります。
私たちの目指す世界はもう一人子供を産みたいと思える世界を創出すること。とても壮大なプロジェクトを信じて出資して頂いた皆様には感謝でいっぱいですし、同時に日本の大きな課題に一緒に立ち向かう決心をして頂き大変心強いです。
スタートアップとして一つ前進させてもらったこのタイミングで、今の想いを残しておこうと思います!
起業のきっかけ、妊娠・出産の現場を取り巻く状況
改めて、なぜ私たちがこの事業に取り組んでいるのか、背景として現在の妊娠・出産の状況について少しお話しさせてください。
なぜ、ママたちはこんなにも大変なのか?
このnoteは、私たちの資金調達リリースをきっかけにご覧いただいている方が多いのではないかと思います。おそらく、仕事に邁進している男性の方、まだ妊娠・出産フェーズを迎えていない女性の方もいらっしゃるでしょう。
子育てって大変そう!というのは、当事者の方じゃなくても側から見ていて伝わると思いますが、どういった質のものなのか、もしかしたら解像度が低い人も多いのかも…と感じているので、こちらでご紹介いたします。
現在の日本は、みなさんもご存知の通り少子高齢化が課題です。
取り扱う出産件数が全体で減っていくから、産婦人科や産院がゆとりを持って働けるようになるのか、と思いきや、そんなことはありません。
昨年NHKが調査した内容によると、以下のことがわかったそうです。
全国1700あまりある市町村のうち、出産施設が1つもない自治体は1042市町村と、全体の6割近くにのぼることが分かりました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241106/k10014629321000.html
日本産婦人科医会の調査によると、出産施設は約20年前と比べて1000件あまり減少。これまで、地域で比較的リスクの低い妊婦のお産を担っていた病院やクリニックが、医師の高齢化や少子化による減収で、経営を維持できなくなっているのです。
(日本産婦人科医会の施設情報調査より 全施設:2006年は5946施設→2023年は4859施設)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241106/k10014629321000.html
その結果、以下のことが出産の現場で起こっています。
- 産院・産婦人科病院が減少することで、一極集中化が起こる
- 助産師・看護師の稼働に負担がかかる
- 産院・産婦人科病院で妊娠・出産における最低限の対応と知識を伝えることしか出来なくなる
- ママの体調に問題がなければ速やかに日常生活に戻ってもらう(およそ1週間弱)
もちろん厚生労働省から渡されるガイドラインはあります。
しかし、赤ちゃんも母体も当然個体差があり、様々な価値観や家庭の事情の違いもあります。同じ内容でもソリューションとして正しくないことなども、いくらでも出てきます。
その状況に対して、自力で情報を集め、少ない知識でなんとか判断して子育てしている状況に置かれているのが、いまの子育てなのです。
下手したらすぐに命に危険が迫るような繊細な存在を、自分の責任で守っていくプレッシャーの中で日々戦っているのです。
自分の出産の時に味わったこと
かつての日本は、実家・地域の産婆さんなど様々なケアを受けることができました。
しかし、現在は共働き世代が7割を超え、父親は育休制度を利用し、"夫婦二人で"子育ても仕事も家事もしていく時代です。医療の発達に伴い出産・子育てに関する知識や基準も変わり、先人の知恵にも頼りにくくなっていると思います。
時代が変化しても子育ては母親が中心にならざるを得ないシステムは続き、父親は適切な情報収集や学びの機会が得られないまま夫婦二人での子育てがはじまります。
看護師資格・助産師資格を取った私でさえ、戸惑うことはあります。システム上どうしても早期に関係が途切れてしまう医療機関や、ママ主体の妊娠・出産の進行により、育児のスタート時点でどうしても知識の差が開いてしまうパパと接するうちに、孤独に感じることもありました。
これと同じことが、知識量がまったく違うママたちに起こっているなんて!
その不安はどれほどのものかと思います。
ママたちをもっと長くサポートできる専門職の存在は絶対に必要です。
でも、いまの仕組みだとその実現は難しい。
だったら、妊娠・出産の現場に深く携わり課題意識を持ったわたしが作る。
そのように考え、ジョサンシーズは産後ケアの領域からサービスを開始しました。
ジョサンシーズが取り組む事業について
ママたちの本当に心強い味方、助産師という仕事
ここでひとつお尋ねしますが、これを読んでくださっているあなたは、助産師いう職種はどんな存在なのか、自信をもって言えますか?
「よくわからないけど…出産のお手伝いをしている人?」
私がビジネスの世界に足を踏み入れてから、こういった声をたくさん聞きました。男女関わらず、妊娠・出産のフェーズを迎えるまで、実態が理解されていないというのが実情です。
助産師という仕事について、こちらで詳しく書いているので、よかったらご覧ください!
私自身、出産で余裕がなくなっている時に、改めて助産師の方たちに助けられ、本当に安心できたのを覚えています。
確かな知識、そして自分の状況を理解し労ってくれる存在。
自分自身がケアを受けながら、産後のママたちに必要なのは妊娠・出産・子育ての専門職である助産師という存在だと強く確信しました。
ジョサンシーズが取り組む、3つの産後ケア事業
私たちは、現在以下の事業を展開しています。
- 低月齢ベビーシッターサービス
https://josanshes.com/
低月齢シッターサービスにおいて我々の優位性は、専門職である助産師が対応させていただくことで、圧倒的に心理的ハードルが下がること。子育ての悩みについて自分でリサーチをした上で解消できなかった結果、ジョサンシーズまで辿り着いたユーザーが多い中で、顧客満足度4.92(※5段階中)を誇っています。そしてジョサンシーズ利用者の約30%が父親が登録していることも特徴です。
利用していただいたお客様の中に、育児ハックとしてこちらのnoteにご紹介いただきました。
https://note.com/kudominato/n/nc99a2a0f0a40 - 産後ケア施設の運営
https://yuarito.jp/
こちらは三菱地所様が運営していた「YUARITO」を事業継承させていただいたものです。先日プレスリリースをだしたので、よかったらご覧ください!
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000110270.html - 産院への人材サービス
https://josanshes.co.jp/service-shespath
産院への人材サービスでは、産院がリソース不足の際にスポット的にジョサンシーズの助産師が駆けつけ、患者さんへのケアが充実したものとなるようサポートしています。
産院のスタッフが忙しそうで、話を聞きたくても声がかけずらくて聞けなかった、など悲しい思いをさせてしまうことがあるので、それを解消することを目指しています。
子どもも、両親も、トータルにサポートする次世代の育児体制
先ほどnoteでご紹介いただいたこお客様は、じつはわたしがLINE(弊社の予約や連絡はすべてLINEです)でのやり取りから担当させて頂いた方なんです。
赤ちゃんのミルク量から睡眠時間まで把握させて頂き、実際にご家庭へ行くときには担当助産師へ引き継いでいました。(その助産師は今は現場を離れて、ジョサンシーズの中の人として活躍しています!)
みんなでお子様とご夫婦のサポートをさせて頂いたことで、まさしくこれが新しい時代の子育て方法だと実感しました。
核家族化・共働きが当たり前になった時代において、両親が仕事で十分パフォーマスを発揮できるほどに働きながら、育児まですべて完璧にこなすのは無理があります。
無理をしたら大丈夫、死ぬほど頑張ったら大丈夫。
いま、子育てに従事している方はそうやって自分を鼓舞して、なんとか日々を邁進している方もいるかもしれません。
でもやっぱりそれは、身体を酷使させる「無理な」ことなんです。
あらゆる人がより健やかに、サステナブルに育児をし続けていけるようになるためにも、専門職の人の手を頼り、夫婦だけで完結しない子育てスタイルがもっと当たり前になっていけたらと感じました。
そういった未来を実現できるよう、尽力していきます。
今回の資金調達について
有り難いことに、今回非常に素晴らしい方々にご出資を頂けることになりました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000110270.html
みなさんがジョサンシーズに期待して下さっていることは、少子化という課題解決の一手になるのではないかということです。
核家族化に伴った育児の負担は、時として多くの人に子どもを迎えることを遠ざけさせていると考えてます。私たちは、そんな子育てにおける不安や負担を軽減するサポート体制を構築することで、子育てに対してもっとポジティブな気持ちで向き合える人たちを増やしたいと考えています。
子育てを経験した親たちが、もう一人産みたいと思える体験をする。
その様子を見た他の人が、自分も子どもを産む勇気をもらえる。
そんな循環を生んでいきたいと考えています。
社会課題を解決しながら、喜びの溢れる世界を作っていくために
このビジョンを一緒に実現する仲間を大募集しています。
既存で準備している求人以外にも、何かご一緒できるご縁あがるかもしれないので、少しでも興味があれば是非ご連絡ください!