クルージングヨット教室物語235
Photo by Buddy Photo on Unsplash
「今日は、おでんなの?」
ラッコの皆に声をかけたつもりが、ラッコのメンバーではなくアクエリアスの中村さんから返事があった。
「はい、そうです。中村さんもどうぞ」
麻美子は、キャビンの中から中村さんにも伝えていた。
「これからお昼ごはんだけど、隣のヨットで食べるから材料だけ持って、隣のヨットに行こう」
中村さんは、自分のところのクルーに言った。
「このヨットは、ここのマリーナのヨットなんですか?」
「いや、うちと同じ横浜のマリーナに停泊しているヨットだよ」
中村さんは、アクエリアスの新しい生徒たちにラッコのことを紹介していた。
「あら、すごい人数!」
中村さんの後に続いて、何人も大勢入って来たので麻美子は驚いていた。
「先週からのうちのクルージングヨット教室の生徒たち」
中村さんは、麻美子に生徒たちを紹介していた。
「今年のアクエリアスさんは、6人も生徒いらしゃるのですね」
「ええ」
「うちは、今年の生徒さんは明子ちゃん1人だけなの」
麻美子は、明子のことを紹介していた。
「うちは、お昼は蕎麦」
中村さんは、持って来た食材を麻美子に見せた。
「じゃ、お鍋で茹でないとね」
麻美子は、大鍋に水を入れて火にかけた。
「おでんの鍋、2個でダイニングとパイロットハウスのサロンに別れて、お蕎麦ができるまでの間、先におでんを食べていようよ」
隆の提案で、2つのお鍋におでんを分けて皆は食べ始めた。
「明子ちゃん、おでんは?」
「うん」
「なんか嫌いなものある?」
「無い」
香織は、明子の小皿におでんを装ってあげていた。
「隆さんは?」
「う、嫌いなもの?」
「ええ」
「特に嫌いなものは何も無いよ」
隆の返事を聞いて、隆の分のおでんも装っていた。
「久しぶりね。皆で、ここで食事するの」
麻美子は、ダイニングのサロンでおでんを食べながら言った。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」「文筆のフリーラン」「魔法の糸と夢のステッチ」など
東京国際ボートショー開催中の横浜マリーナではクルージングヨット教室生徒募集中!