1
/
5

ジュニアヨット教室物語60

Photo by Weiqi Xiong on Unsplash

翌朝、お父さんは朝のトーストと目玉焼きにベーコンを焼いていた。

「おはよう」

「時間があったら、出かけるからテントを畳んで片付けておいてくれるか」

洋ちゃんは、お父さんに言われて、車の脇に立てられているテントを畳んでいた。

「そのペグを外さなきゃ」

お母さんも起きて来て、洋ちゃんにテントの解体のやり方で指示を出していた。

「このテントって、結局中で寝ていないし、何のために立てたんだろうね」

洋ちゃんは、お母さんに聞いた。

「そうね。テントを立てた意味がなかったわね」

お母さんも、洋ちゃんに答えた。

「いや、テントの中でお母さんが着替えできただろう」

朝食を持って、戻って来たお父さんは、2人に答えた。

朝食を食べ終えると、山中湖のヨットハーバーを目指してキャンプ場を出発した。

「ミニホッパーもあるじゃん」

山中湖のヨットハーバーでは、ヨットを借りることができた。この中から乗るヨットをお決めくださいと職員に言われたヨットの中に、ヨット教室でも乗ったミニホッパーがあった。

「こっちの大きい方が皆で乗れないか?」

お父さんは、ミニホッパーの奥に置いてあった白いヨットを指差した。

「そちらはFJというヨットになります」

お父さんが指差したヨットのことを職員が説明した。

「FJはメインセイルだけでなくジブセイルも付いています」

マストに付いている三角のセイル以外に、もう1枚ヨットの前方に張るジブセイルが付いているヨットだった。追っ手の風用のスピンネーカーというセイルも付いていた。

スピンネーカーとは、クルージングヨット教室で今井隆が、アクエリアスで横浜のマリーナのクラブレースに出場した際に、陽子が上げていたセイルのことだ。

「前に付いているジブセイルとか、俺も上げたことないから慣れているミニホッパーがいいな」

洋ちゃんは、お父さんに答えて、ミニホッパーを借りることになった。

「どうやって、マストとかセイルを立てるんだ?」

洋ちゃんは、お父さんに聞かれて、ヨット教室で教えてもらったことを思い出しながら、お父さんと一緒に山中湖ヨットハーバーのミニホッパーを艤装していた。


作家プロフィール

主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など

横浜のマリーナ クルージングヨット教室生徒募集中!

Like 横浜マリーナ クルージングヨット教室's Story
Let 横浜マリーナ クルージングヨット教室's company know you're interested in their content