「おはよう、点呼を取ります」
片桐一郎は、ヨット教室の生徒たちをクラブハウスに集めると、1人ずつ名前を呼んで、今週の出席者の数を確認していた。
「愛菜・・」
「はい!」
「由佳・・」
「はい!」
「小林・・」
「はい!」
全員の点呼を取り終わると、
「それで、あとは松田くん、今日からだったよな」
片桐一郎は、最後に松田の名前を呼んだ。
「はい!」
松田は、大きな声で、慌てて片桐一郎に返事した。
「えーと、洋ちゃんは、健ちゃんと一緒に乗っているものな。よし、佐々木!おまえにしよう。松田と一緒に乗ってくれるか」
「はい!」
佐々木は、片桐一郎に返事すると、松田と一緒に艇庫へヨットを取りに行った。
「佐々木!」
片桐一郎は、佐々木のことを呼んだ。
「いいか。ただ、松田と一緒に乗るんじゃないぞ。松田は、今日初めてヨットに乗るのだから、どうしたらヨットが走るのかをちゃんと説明してあげなくてはダメだぞ」
「俺、後ろ側を持つから、松田は、前に行って、船の前方を持ち上げてくれるか」
2人は、自分たちのOPヨットの船体を持ち上げて、広いところに出していた。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など
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