ジュニアヨット教室物語15
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「何処らへんまで走ったら良いんだろう?」
一番最初に、ヨットを海に浮かべて沖まで走らせてきた洋ちゃんは、健ちゃんに聞いた。
「さあ、わからない」
「もう少しだけ先へ進んでみようか」
洋ちゃんは、ヨットをさらに沖へ向かって走らせていた。
「もう、ここら辺で良いんじゃないの。Uターンして戻ろうよ」
洋ちゃんが、ヨットをどんどん沖合いまで走らせてしまっているので、不安になってきた健ちゃんは、洋ちゃんに提案した。
「え、もうここら辺で戻る?」
「うん」
健ちゃんに言われて、洋ちゃんは、ヨットをUターンさせて、港に戻ろうとしていると、マリーナの方から先生が持っていたボートが近寄ってきていた。
「もっと奥!」
Uターンしかけていた洋ちゃんに、ボートの上の先生が叫んだ。
「このボートに乗っているブイを、その先の海上に浮かべるから、そしたら、このブイとブイの間をぐるぐると回ってくるように」
先生は、洋ちゃんに指示を出していた。
ボートが、さらに沖合いへと走って行ってしまったので、洋ちゃんもボートの後を追っかけて、沖に向かってヨットを走らせていた。
ボートが、先へ沖まで到着すると、そこへボートに乗せてきた大きなブイを2個海上に設置した。
「あのブイとあっちの部位の間を、ぐるぐる回れと言っていたよね」
「うん、そう言っていた」
2人は、ボートが設置した2つの部位の間をグルグルと回っていた。
「ちょっと、ブイの間を回っていてくれるか。先生たちは、ちょっと後ろの方のヨットを迎えに行ってくるから」
先生の乗るボートは、洋ちゃんたち先に到着したヨットを、沖合いに残したまま、後ろの方を走っていたヨットたちを迎えに行っていた。
「もう少し、メインシートを引け!」
「風向きをもっと考えて、シートを出して走らせろ」
先生たちは、後ろの方を走っているヨットに、ボート上から指示を出していた。
「もう少しシートを引くの!」
ボート上から先生たちは、一生懸命に子供たちに乗り方を指導していたのだが、今日初めてヨットに乗った生徒さんの中には、ぜんぜん上手く奏薦できない子もいた。
「はい、沖まではボートで引っ張ってあげるから、このロープの先をヨットの先端に結びなさい」
若干2艇は、ボートに引っ張ってもらいながら、沖合いまで運んでもらっていた。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など
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