ジュニアヨット教室物語13
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「皆さん、自分のヨットのマストはちゃんと立ちましたか!?」
片桐一郎は、ヨットの艤装をしている子供達の周りを見回っていた。
「皆、マストも無事に立てられて、センターボードやラダーも付けられたみたいですね」
全てのヨットのマストやセイル、艤装品が設置し終わっているのを確認して、片桐一郎はいった。
「それでは、これから今、準備し終わったヨットを海に出して乗りましょう!」
「どうやって、海に出すんですか?」
美穂ちゃんは、側にいた先生に質問した。
「2人1組でペアを組んでいるのだから、2人で一緒に船の前と後ろで持ち上げて、この坂道、スロープを降りていって海にヨットを浮かべます」
先生は、美穂ちゃんに返事した。
「でも、その前にちゃんとライフジャケットを着用してからにしましょう」
先生は、美穂ちゃんの着ているライフジャケットの前側に付いているジッパーを上まで上げてしっかり着用させた。
「皆も、ライフジャケットの前のジッパーをちゃんと上げていない人は、しっかりジッパーを上まで上げて着用してください!」
先生は、美穂ちゃんだけでなく、美穂ちゃんの周りにいた生徒たちにも伝えていた。
「そうだ!皆さん、ヨットで海に出る前に、今一度、自分の着ているライフジャケットの前ジッパーが上がっているかどうか、ちゃんと着用できるかどうか確認してください!」
片桐一郎も、大声で生徒たちに伝えていた。
洋ちゃんも、自分の着ているライフジャケットを確認していた。
「洋ちゃん、僕のライフジャケット大丈夫かな?ちゃんと着れているかな」
健ちゃんが、横にいた洋ちゃんに聞いた。
「うん、大丈夫!ちゃんと着れているよ」
洋ちゃんは、健ちゃんのライフジャケットも確認しながら答えた。
「俺は大丈夫かな?」
「大丈夫!」
健ちゃんも洋ちゃんのライフジャケットを確認していた。
「ライジャケの確認が終わった子から、ヨットを海に出しましょう!」
片桐先生が、皆に指示を出していた。
「俺らも、海にヨットを出そうか」
洋ちゃんは、一緒のペアの健ちゃんに言うと、船を前後で持ち上げて、スロープを降り始めた。
「先生、海に出るのこわいよ」
初めてヨットに乗る子の中には、まだ怖がっている子も何人かいた。
「大丈夫!ほら、見てごらん。沖にボートが出ているだろう。先生たちが、ボートでちゃんとくっついているから、海に落ちてしまっても、すぐに助けて上げられるから」
先生たちは、怖がっている生徒たちに説明していた。
そんな中、洋ちゃんと健ちゃんは怖がらずに、一番最初にヨットをスロープから海際に降ろして、ヨットを海上に出していた。
「俺らも、ヨットを出そうぜ」
洋ちゃん、健ちゃんがヨットを海へ出している姿を見て、他の子たちも洋ちゃん、健ちゃんを真似して、自分たちのヨットを持ちゲルト、海に降ろしていた。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など
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