ジュニアヨット教室物語7
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「なんか駅から遠いね」
洋ちゃんは、根岸駅からヨットハーバーまでの道を歩きながら、健ちゃんに言った。
「確かに、ちょっと駅から離れていますよね」
健ちゃんも同意していた。
確かに、横浜のマリーナは、公共の交通機関、電車を利用した場合の最寄り駅からマリーナまでの距離は少し遠かった。
特に、子供の足ではけっこう歩く必要があった。
根岸駅を降りて、大通りに出てひたすら真っ直ぐ歩いて、ようやく海が見える橋のたもとまでたどり着くにも割と距離があるのに、その橋を渡ってから左折して、海に向かって突き当たるまでひたすら直進して行くにも良い距離があった。
クルージングヨット教室物語に出てくる今井敬は、東京から麻美子が運転する自分の車でマリーナまで直行してしまっているので、その辺の苦労は知る由もなかった。
まだ中学生の洋ちゃんやけんちゃんたちは、車の運転はできないので、電車で通うしかなかった。
こう書くと、横浜のマリーナは公共交通機関の最寄り駅から離れた辺鄙な場所に位置しているマリーナと思えてしまうが、実は電車ではなくバス、横浜市営バスの停留所ならば、もっとマリーナの近くで降ろしてもらえた。
それは、八幡橋という停留所のことだ。
このバスの停留所名にもなっている八幡橋が、洋ちゃんや健ちゃんが根岸駅から大通りを海が見える橋まで歩いてきた、この橋のことだった。
横浜駅発、関内駅発のバスならば、ここまで連れてきてもらえるので根岸駅から大通りを橋まで歩いた距離を歩く必要を無くすことができた。
八幡橋からマリーナまでならば、それほどは離れていない。
この橋の辺りに、よくクルージングヨット教室物語の中で、麻美子たちラッコのメンバーがクルージングに出かける際の食料品を購入している相鉄ローゼン、ニトリやヤマダ電機のショッピングモールがあった。
けっこう大きなショッピングモールで、ショッピングモールの中を橋側から反対側の出入り口に向かってウインドーショッピングしながら歩けば、ほぼマリーナの目の前まで着けた。
もちろん、ずっと小さい頃から横浜育ちの洋ちゃんも、健ちゃんも市営バスに乗れば八幡橋まで行けることは知らないわけではなかったが、まだまだ若い彼らは、バスに延々と横浜駅から揺られるよりは電車を移動手段として利用したのであった。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など
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