ジュニアヨット教室物語3
Photo by S. Noguchi on Unsplash
「洋ちゃんもやらない?」
来年、中学1年生になる洋ちゃんは、近所の絵画教室の先生の奥さんに誘われた。
洋ちゃんは、小さい頃から絵を描くのが好きで、幼馴染みの健ちゃんの画家のお父さんが自宅でやっている絵画教室に通っていた。
お父さんが自分のアトリエでやっている絵画教室のレッスンを終えて、帰ろうとしていた時に、先生の奥さん、健ちゃんのお母さんに誘われたのだった。
絵画教室のレッスンが終わると、美味しいおやつがあるのと誘われて、お父さんのアトリエから健ちゃんの自宅のリビングに移動した。
リビングには、洋ちゃんのお母さも遊びに来ていて、健ちゃんのお母さんとお茶していた。
「レッスン終わったの?」
「うん」
洋ちゃんは、お母さんの横に腰掛けると、健ちゃんのおばさんからおやつをもらっていた。
「美味しいね」
「ね、健ちゃんも来年の4月からヨットを習いに行くんですってよ」
「健ちゃんも行くんだ」
「だから、あなたも一緒に行かないかって」
お母さんは、洋ちゃんに聞いた。
「健ちゃんが1人で行くの不安なんですって」
「別に良いけど」
洋ちゃんは、お母さんに答えると、来春から始まる横浜のマリーナのジュニアヨット教室に健ちゃんと一緒に通うこととなった。
「ヨットなんて、全く乗ったことないんだけど」
「大丈夫よ。皆、どの生徒も初めてヨットに乗る子ばかりだから」
お母さんは、洋ちゃんに言った。
「健ちゃんも一緒なんだものね」
「そうよ。健ちゃんと一緒だから、全く誰もお友達がいない生徒さんよりも、あなたの方が始めやすいでしょう」
「確かにそうだね」
帰り道は、お母さんと一緒にすぐ近くの自宅まで帰る洋ちゃんだった。
「健ちゃんなんだけど、医大に進学したいんですって」
「そうなんだ。健ちゃんって優等生だものね」
帰り道、洋ちゃんは、お母さんと話していた。
「でね、中学に入ったら医大受験用の予備校に通いたいんですって」
「そうなんだ」
「それで、お母さんに今度できるジュニアヨット教室へ1年間ちゃんと通ったら、医大受験用の予備校に通わせてあげるって約束してもらえたんですって」
「すげぇ、予備校のためにヨット教室に通うんだ。さすが優等生だな」
洋ちゃんは、お母さんに返事していた。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など
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