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クルージングヨット教室物語126

Photo by Yuma Nozaki on Unsplash

「行きましょうか」

麻美子の停めたエスティマのすぐ隣に車を停めた市毛さんが声をかけてきた。

皆は、車を降りると、エレベーターで地下からホテルの1階に上がった。地下駐車場は、それほどでもなかったが、1階のホテルフロアに移動すると、中のインテリアは老舗ホテルとしての厳かさで一変した。

「すごいホテル!」

いつもは、人1倍お喋りで大きな声の瑠璃子も、声が少し静かに変わっていた。

「すみません、横浜のマリーナで予約しているパーティーの・・」

フェリックスの市毛さんが代表して、ホテルのフロントで場所を聞いてくれた。

「こっちだって」

市毛さんの案内で、皆は会場へ移動する。というよりも、ニューグランドのホテルスタッフが会場まで前方を歩いてくれて、誘導してくれた。

「こちらが、横浜のマリーナ様の会場になります」

ホテルスタッフは、入り口の重たいドアを開けてくれて、皆を中へ案内してくれた。

「ありがとうございます」

皆が、会場の中へ入ると、

「私は失礼いたします」

ホテルスタッフは、入り口の扉を静かに閉めると、フロントに戻っていった。

「ラッコさんですね」

会場の受付では、いつもマリーナで一緒にいるスタッフが作業着でなく正装して、出迎えてくれた。

「何名ですか?」

「7名です」

麻美子が7名分の参加料を受付で支払うと、受付を済ませて皆は会場内に入った。中には、すでに先に来ていたアクエリアスの中村さんとクルーたちがテーブルにいた。

「よっ」

ラッコのメンバーは、アクエリアスのメンバーたちがいたテーブルに合流した。会場は立食形式でテーブルには椅子が無く、テーブルの周りに立っている感じだった。

一緒にホテルに来たフェリックスのメンバー以外にも、風神やプロントのメンバーたちも各テーブルに集まっていた。夏のクルージングの時、大島で出会ったドリーム号のメンバーたちも既に来ていた。

パーティーの開始時刻20分ぐらい前だったが、まだ半分ぐらいしか集まっていなかった。


作家プロフィール

主な著作「クルージングヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など

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