クルージングヨット教室物語90
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「目の前の建物がスーパーになっているのよ」
麻美子は、港の職員に停泊料を払って、戻ってくると隆に伝えた。
「スーパーではないよ、市場だよ」
「市場?」
「ここの漁港で水揚げされた魚とかを、一般の人とか観光客に売っているんだ」
隆は、陽子に説明した。
「ここの市場は、けっこう大きいから魚だけでなく三浦大根とか色々なものが売っているよ」
「後で、見に行ってこよう」
香織が、隆に提案した。
「今、見に行って来ない?」
麻美子の提案で、今これから市場の中を見に行ってくることになった。三崎の市場は、白い建物の中にあって、色々なお店が出店されていて、うらりという名称が付いていた。
「うらりって、うちのマリーナで言ったら、松浦さんのレース艇みたいな名前ね」
麻美子は、香代と話していた。
「マグロまん食べようか?」
麻美子は、香代に聞いて、お店で売っていたマグロまんを購入した。肉まんの肉の部分にマグロの身が入っているおまんじゅうだった。
「マグロまん食べる人?」
「はーい」
麻美子が皆に聞くと、最初に隆が答えて、他の人たちも皆、答えていた。
「マグロまんは、夕食じゃなくて、今食べるおやつにしましょうね」
皆は買ったマグロまんを食べながら、市場の中を見て、歩いていた。
「今夜の夕食は、マグロでも食べる?」
麻美子は、隆に聞いて、マグロの切り身をいくつかお店で買っていた。
「お頭、食べようか」
麻美子は、香代に聞きながら、マグロのお頭も購入していた。
「DHAだから、頭が良くなるわよ」
「私、手遅れかも・・」
「瑠璃ちゃん、そんなこと無いでしょう。GPSの操作できるんだし」
麻美子は、瑠璃子に返事していた。
「お店でカットしてもらってしまうんだ」
「それはそうよ。解体まで自分たちでやったら、お料理するの大変だもの」
麻美子は、隆に答えた。
「こんな大きなマグロたちって、三崎の周りの海にいっぱい泳いでいるのかな」
「そうね、いっぱい泳いでいるのかもね」
麻美子が香代に答えた。
「三崎のマグロは、殆どが遠洋漁業だから、アフリカとか太平洋の真ん中辺りまで、大きな漁船に乗って獲りに行っているんだよ」
中村さんが、香代に説明した。
「表に、大きな漁船いっぱい泊まっていただろう」
「あれで、アフリカとかまで行って、マグロを獲っているの」
「そうだね」
中村さんは、香代に説明していた。
「香代、後でここの2階に行ってみようか」
「2階?」
「2階に、三崎の漁船がどうやってマグロを獲っているかを説明した展示コーナーがあるから」
「行ってみる」
香代は、隆に答えていた。
「ああ、あの2階の展示コーナーに連れて行ってあげると、わかりやすいよね」
中村さんが、隆に言った。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など