クルージングヨット教室物語79
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「おはよう!」
香織が、アクエリアスの備品を、横浜のマリーナにあるアクエリアスのロッカーから中村さんと一緒に取り出そうとしていた時、ラッコのメンバーたち皆とすれ違ったので、元気に挨拶した。
「おはよう、香織ちゃん!」
ラッコのメンバーたちも皆、香織に挨拶を返した。
「これから、どこかに行くの?」
ラッコのメンバーたちは、マリーナの正門を抜けて、どこかに出かけようとしていた。
「すぐそこのスーパーまで今日のお昼の買い出しに行ってくるの」
麻美子が、香織に返事した。
「え、隆さんも皆揃ってゾロゾロと相鉄ローゼンまで買い出しに行くの?」
「なんかね、それぞれ好きなお菓子も買いたいし、皆で行こうって話になったの」
陽子が、香織に答えた。
「備品の取り出しは後回しにして、うちらも、お昼の買い出しにスーパーに行こうか」
中村さんが、アクエリアスのクルーたちに声をかけた。
「行きましょう!」
香織が、中村さんの提案に賛同して、隆や陽子の横に並んでもう一緒に行くつもりになっていた。
「よし、アクエリアスも買い出しに出かけよう」
中村さんは、香織がラッコと一緒に行きたそうなのを察してくれたようだった。
「アクエリアスさんは、今日のお昼は何にしますか?」
「何にしようかね。たぶん毎度お馴染みのパスタかな」
中村さんは、麻美子に答えていた。
「うちは、野菜シチューにする予定です」
「相変わらず、ラッコさんの料理は凝っているね」
中村さんは、スーパーまでの道を麻美子と話しながら歩いていた。
「なんかさ、私、今週は会社で倉庫作業とかばかりやっていた」
「マジで、陽子ってオフィスワーカーの仕事じゃないの?」
「そうなんだけど。人手が足りないとかで駆り出されていた」
「私も、基本は国語の授業担当なんだけど、体育館でずっと体育の授業に付き合わされてることあるよ」
香織も、隆と陽子が話している会社であったことの話に加わっていた。
お昼の食事の準備とかは、ほとんど麻美子と瑠璃子たちが準備してくれてしまうので、こちらの3人は、お昼の買い出しとは全く関係のない話をしていられるのだった。
「何のお菓子にする?」
「私、ぜったいマカロンがいい」
「マカロンなんて相鉄ローゼンに売っているのかな」
陽子や香代、香織たちがお菓子売り場でお菓子選びに夢中になっていた。
「それじゃ、私はアクエリアスさんたちとお昼の買い物してくるから、ここでお菓子選んでいてね」
麻美子は、雪や瑠璃子、アクエリアスのメンバーたちと買い物に行ってしまった。
「隆、香代ちゃんは置いていくからお願いね」
「うん」
麻美子は、買い物に行く前に、隆に香代のことをお願いしてから出かけた。
「ね、ね、陽子。これ見てよ」
隆は、輸入菓子のパッケージを陽子に見せて言った。
「この輸入元の会社名、麻美子のお父さんの会社なんだけど」
「そうなんだ、これって麻美ちゃんのパパの会社で輸入したんだ」
陽子は、隆の差し出した輸入菓子のパッケージの内容を確認していた。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など