現役消化器内科医が、医療記事の監修で必ず見ている5つのポイント
はじめまして。消化器内科医のハシビローと申します。ふだんは市中病院で内視鏡検査や外来診療にあたりながら、副業として医療・健康記事の執筆と監修をしています。臨床経験は20年を超えました。
「医師監修」という言葉、最近よく見かけると思います。でも、監修医が実際に何をしているのかは、あまり知られていません。今日はその裏側を、少しだけお見せします。
■ なぜいま「監修」なのか
生成AIの登場で、医療記事を書くこと自体はとても簡単になりました。もっともらしい記事が数分でできあがります。
ところが、AIの書いた医療記事には「もっともらしい間違い」が混ざります。実在しない論文、古くなったガイドライン、文脈の外れた数字。読んだ人の健康に関わる分野で、これは小さな問題ではありません。Googleも医療・健康分野(YMYL領域)では、誰が書いたか・誰が確認したかという信頼性(E-E-A-T)を年々重視するようになっています。
記事を「書く」価値が下がった分、「正しさを保証する」価値が上がった。それが、いま監修の依頼が増えている理由だと思います。
■ 監修で必ず見ている5つのポイント
- エビデンスの格を確認する
- 「研究で分かった」と一口に言っても、診療ガイドライン、大規模臨床試験、動物実験、個人の体験談では重みがまったく違います。記事の主張がどの格のエビデンスに乗っているかを、原文までさかのぼって確認します。
- 数字の「切り取り方」を疑う
- 「リスクが2倍」と聞くと怖いですが、0.01%が0.02%になった話かもしれません。相対リスクと絶対リスクの取り違えは、医療記事でいちばん多い誇張の型です。
- 情報の鮮度を確かめる
- 医学は数年で常識が変わります。ガイドラインの改訂で推奨が逆転することもあります。執筆時点ではなく「いま」正しいかを、最新のガイドラインや英語論文(PubMed)で確認します。
- 法律に触れる表現を直す
- 「がんが治る」「必ず痩せる」――薬機法や医療広告ガイドラインに抵触しうる表現は、言い換えを提案します。サイト運営者を守ることも監修の仕事です。
- 読者の受診をじゃましないか
- 最後に記事全体を読み直して、「この記事を読んだ人が、病院に行くべきタイミングを逃さないか」を確認します。セルフケアの記事ほど、「こういう症状があればすぐ受診を」という一線が大切です。
■ 監修は「ダメ出し」ではありません
監修というと赤字だらけの原稿を想像されるかもしれませんが、実際にやっているのは「この記事が読者と運営者の両方を守れるようにする」共同作業です。ライターさんの文章の良さを消さずに、医学的な芯だけを通す。外来で患者さんに病状を説明するときの「正確さと分かりやすさの両立」と、根っこは同じ仕事だと思っています。
■ お仕事について
現在、副業として以下をお受けしています。
・医療・健康記事の監修、ファクトチェック(実名・専門医資格の掲載可)
・医療・健康記事の執筆(英語論文ベースの記事作成も可)
・書籍の医学監修
保有資格:日本消化器病学会 消化器病専門医/日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医/日本内科学会 総合内科専門医
得意分野は消化器(胃腸・肝胆膵)と一般内科・予防医学ですが、内科全般に対応します。医療メディアやヘルスケア事業を運営されている方、AIで作った記事の正確性に不安のある方、お気軽にメッセージでご相談ください。