経理体制を強化しようとすると、まず「人を増やそう」「新しいシステムを入れよう」という話になりがちです。
しかし、その前に確認したいことがあります。
今の経理業務が、誰に、どのように依存しているか。
成長企業では、取引量や事業内容の変化に合わせて、その都度、担当者が工夫しながら業務を回していることがあります。
例えば、販売管理システムからデータを出力し、Excelで集計・調整して、会計システムに入力する。その作業を長年担当している人にとっては、特に問題なく処理できているように見えます。
しかし、別の担当者が同じ作業をしようとすると、
「どのデータを使うのか」
「なぜこの取引を除外するのか」
「この数字はどこから来たのか」
「誰が最終確認しているのか」
が分からないことがあります。
これは、担当者個人に問題があるわけではありません。
会社が小さいうちは、その人の経験や判断に任せる方が速く、合理的だったのだと思います。
ただ、会社が成長し、取引量が増え、M&AやIPO、監査法人対応などが始まると、個人の記憶だけで業務を回すことには限界がきます。
そこで最初に必要になるのが、業務の見える化です。
分厚いマニュアルを作る必要はありません。
まずは、
どのデータを使い、誰が作成し、いつまでに処理し、誰が確認し、どの資料を残すのか
を一枚の業務フローや決算スケジュールに整理するだけでも、見えてくる課題があります。
AIや新しいシステムは、その後です。
見えていない業務をデジタル化しても、分からない処理が速くなるだけです。
経理体制の構築は、まず「今、どのように仕事が回っているのか」を会社全体で共有するところから始まります。
次回は、見える化した業務を、どのように標準化していくかについて書きます。