IPO準備会社において公認会計士が関わるメリット第3回:IPO準備を進めるうえで、外部専門家を活用する意味
IPO準備会社では、事業成長を進めながら、決算体制、会計制度、内部統制、監査法人対応、証券会社対応、取締役会運営、ガバナンス整備など、多くの課題に同時並行で向き合う必要があります。
特に成長企業では、経営陣やCFO、管理部門の方々が非常に多忙です。日々の資金調達、事業計画、採用、営業、プロダクト開発、組織づくりを進めながら、IPOに向けた管理体制の整備も進めなければなりません。
このような状況では、社内メンバーだけですべてを完結させることは簡単ではありません。
外部専門家を活用するメリットは、単に作業を一部外注できることだけではありません。むしろ重要なのは、会社の現状を客観的に整理し、IPOに向けてどの論点を優先的に対応すべきかを明確にできることだと考えています。
IPO準備では、やるべきことが多岐にわたります。
しかし、すべてを一度に完璧に整備することは現実的ではありません。会社のフェーズ、監査法人の関与状況、ショートレビューの結果、上場申請までのスケジュール、管理部門のリソースを踏まえて、優先順位をつけながら進めていく必要があります。
例えば、以下のようなテーマがあります。
・決算早期化
・月次決算の精度向上
・会計方針の整理
・監査法人対応資料の整備
・内部統制の設計・運用
・稟議・承認フローの整備
・取締役会資料の改善
・関連当事者取引の管理
・予算実績管理の高度化
・上場後を見据えた開示体制の整備
これらは、どれも重要です。ただし、会社によって優先順位は異なります。
外部専門家である公認会計士が関与することで、会計・監査・内部統制・ガバナンスの観点から、今どこにリスクがあるのか、どこから着手すべきなのかを整理しやすくなります。
また、監査法人とのコミュニケーションにおいても、外部専門家の関与は有効です。
監査法人からの依頼事項や指摘事項は、会社側からすると負荷が大きく、時には「なぜここまで必要なのか」が分かりにくいこともあります。一方で、監査法人側には、リスク評価、監査証拠の入手、文書化、審査対応などの観点があります。
そのため、会社側と監査法人側の間で、見えている景色が異なることがあります。
公認会計士が外部専門家として関与することで、監査法人の意図を踏まえつつ、会社の実務に落とし込める形で対応方針を整理することができます。
IPO準備は、会社の成長を止めるためのものではありません。
むしろ、上場後も継続して成長できる体制を作るための取り組みだと考えています。会計制度、決算体制、内部統制、ガバナンスは、単なる管理コストではなく、会社がより大きく成長するための土台です。
私は、事業会社での経理実務と、監査法人での上場会社監査・IPO監査の双方を経験してきました。会社側の大変さも、監査法人側の視点も理解したうえで、IPO準備会社や成長企業の「攻めと守りの会計・ガバナンス」を支援していきたいと考えています。
IPO準備は、課題が顕在化してから対応すると、管理部門・経営陣の負荷が一気に高まります。早い段階で論点を整理し、必要な体制を整えておくことが重要です。IPO準備、決算・監査対応、会計制度構築、内部統制整備でお困りのことがございましたら、まずは壁打ちベースでもお気軽にご相談ください。