IPO準備会社において公認会計士が関わるメリット第1回:会計制度構築支援
IPO準備会社では、事業成長のスピードに対して、経理・会計・内部統制などの管理体制の整備が追いつかないことがあります。
売上が伸び、組織が拡大し、取引形態が複雑になる一方で、会計処理のルールや決算体制は、創業期・成長初期のまま運用されているケースも少なくありません。
IPOを目指す段階では、単に月次決算や年次決算を締めるだけではなく、
「なぜその会計処理を採用したのか」
「どのような判断過程で処理を決定したのか」
「監査法人に対して説明可能な資料が整備されているか」
という点が重要になります。
このような場面で、公認会計士が外部専門家として関与するメリットは大きいと考えています。
公認会計士は、会計基準や監査の観点から、会社の会計処理・決算体制・内部統制を確認することができます。特にIPO準備会社では、監査法人によるショートレビューや期中監査、期末監査の中で、会計処理の妥当性や決算資料の整備状況について多くの指摘が入ることがあります。
その際、会社側だけで対応しようとすると、
「監査法人が何を求めているのか」
「どの程度の資料を準備すればよいのか」
「会計論点としてどこまで整理すべきなのか」
が分かりにくいことがあります。
公認会計士が関与することで、監査法人の目線を踏まえた論点整理や、実務に落とし込める形での制度設計がしやすくなります。
例えば、売上認識、棚卸資産、固定資産、引当金、税効果会計、関連当事者取引など、IPO準備会社で論点になりやすい項目について、会計方針を整理し、必要な社内資料や証憑、承認フローを整備していくことが重要です。
会計制度構築支援とは、単に会計マニュアルを作成することではありません。
会社の事業内容、取引実態、組織体制、経理部門のリソース、将来の成長フェーズを踏まえたうえで、会社が継続的に運用できる仕組みを作ることが重要です。
どれだけ立派なルールを作っても、現場で運用できなければ意味がありません。一方で、現場の運用だけを優先しすぎると、IPO審査や監査法人対応に耐えられない可能性があります。
そのため、IPO準備会社における会計制度構築では、
「実務上運用できること」
「監査法人に説明できること」
「上場後も継続できること」
のバランスが重要になります。
私は、事業会社で経理実務を経験した後、監査法人で上場会社監査・IPO監査に従事してきました。会社側には、決算作業、資料作成、社内調整、監査法人対応の負荷があります。一方で、監査法人側には、リスク評価、監査証拠の入手、文書化、審査対応の観点があります。
この双方を経験してきたことで、会社側と監査法人側の間に立ち、論点を整理し、会社の実務に落とし込んでいくことの重要性を強く感じています。
IPO準備は、短期間で一気に進めようとすると、経理部門や管理部門に大きな負荷がかかります。早い段階から会計制度を整備しておくことで、監査法人対応や上場審査対応をスムーズに進めやすくなります。
IPO準備、決算・監査対応、会計制度構築、内部統制整備などでお困りのことがございましたら、外部専門家として、会社の成長フェーズに応じた支援が可能です。お気軽にご相談いただけますと幸いです。