Anthropic が Claude for Creative Work を発表した日、私は構える側にいました。
「苦労したアレコレがメソッドも含めてなかったことになるのか」そんな思いを抱えて。
いま、月トラのウェブサイトリニューアルを進めている真っ最中です。Webマーケティングに関わり続けてきましたが、ビジュアル制作は私の本業領域からずれます。
サイトリニューアルにあたってデザインを本職とする関連会社の人に協力をあおぎ、デザイナーアサインも検討。デザイナーにアドバイスをもらう前は「デザインセンスが皆無。センスがない」と言わんばかりのFBをPJに無関係な人間にいわれることも…。
サイトで何を伝えるのか、ターゲットは、トンマナは、売るサービスは…と、考え続け、デザインシステムを作り、代表とのMTGを重ねながらの2か月。
AI Firstのサイト構築あたって、作ってきたものが「Cluade Designに任せれば数時間でできる」なる瞬間が恐ろしくてたまりませんでした。
とはいえ、それはこちらの都合。会社として使うメリットがあるなら使う。
その判断もつけたくて、Claude Design を Webサイトとプレゼンスライドの両方で試しました。
ウェブサイトTOPを、ワイヤーから書き出してもらった
最初に試したのは、月トラのウェブサイトの TOP ページ。手元にあるワイヤーフレームから、Claude Design にデザインを書き出してもらいました。
結果は、それなりにいい感じに仕上がります。ぽっと指示した割にはとてもいい。
ただ、細かい部分を見ると今ひとつで、結論としては「あくまでもたたき台」というポジションが正確な評価でした。
思うようなルールに従わせたい場合には、こちら側で「デザインルール」を言語化しておく必要があります。フォントサイズの階層、余白の設計、ブランドカラーの使い分け、コンポーネントの粒度 ── このあたりが言語化されていないと、出力は「それなり」で止まります。
「それはそうでしょう。そもそもそういうものとアナウンスされていたんですから」
と言われればそうなのですが…。
デザインルールが言語化できている会社はClaude Design無しでもいいのでは?
デザインルールが社内で言語化できている企業は、Claude Design を使わなくても、すでに一定の出力ができているのではないかとも感じました。
誰でも一定品質のデザインを作れるように努力してきた人ほど恩恵があるツールであって、これからそれを作る企業は頭を悩ませながら「自社らしいデザインとは」に向き合う必要があるのかなと。
AI に任せたくて Claude Design を頼る組織ほど、AI が一番欲しがるもの(=言語化されたルール)を、組織としてまだ持っていないのかもしれません。少しだけ、皮肉な構造です。
プレゼンスライドを、Canva 経由で作ってみた
社内で Canva へのスライド生成移行を進めているので、Claude Design でスライドを作って Canva にエクスポートする流れも試してみました。
Canva エクスポートができるのはありがたい機能です。でも、私の設定が悪かったのか、エクスポート後に Canva で編集できない状態になりました。どうやらスライドが画像として保存されてしまっているようです。
「PowerPoint で出力して、それを Canva に持っていけばいい」というアドバイスももらって試したのですが、それにしてもお粗末なスライドになりました。
データ分析を生業にしている会社にとって、スライドに図表が入ることはマスト。今回の試行で一番気になったのは、表が「表」ではなく、枠線と視覚要素の画像の組み合わせになってしまう問題が、まだ解消されていないこと。
数字を後から直したいときに、画像を作り直さないといけない。これは、私たちの業界では、しばらく悩みの種になりそうな手応えです。
スライド制作に関しては、まだ人間が半分くらい関与する必要がある、というのが今回の体感です。
AI に任せる前に、こちら側で要るもの
ふたつの試行を経て、見えてきたものがあります。
「AI が何でも作ってくれる」という状態は、まだ来ていない。来ているのは、「こちらの準備次第で、AI のたたき台の精度が変わる」状態です。
つまり、AI ネイティブと言われている人や組織が本当にやっていることは、新しいツールを使いこなすことよりも、渡す前に何をどう言語化しておくかを、地味に整えていく作業に近いのかもしれません。
デザインルールの言語化、表のテンプレート化、ブランドの文体ガイド。Claude Design は強力ですが、それを引き出せるかどうかは、結局「渡す側にどれだけの言語化ストックがあるか」に依存しているように感じます。
そして、データ分析会社の図表問題のように、業界固有の「まだ解けていない悩み」も、たぶんしばらくはなくなりません。
それでも、たたきが手早く出るのは大きい
ネガティブに聞こえる感想ばかりになってしまいましたが、Claude Design を「たたき台製造機」として位置づけたとき、これは強力なツールです。手で起こしていたら相当な時間がかかる素案が、わりと早く出てきます。
そのあと、こちらが言語化しているルールで磨いていく。磨ける人と組織のほうが、AI 時代には結果的に強くなると感じます。
結局、「言語化」というオチになってしまいましたが、最終的なアウトプットの姿と途中の過程が見えている人ほど、強いというのはAIが道具から職場の同僚、上司に深化していったとしても変わらないような気がします。
#ClaudeDesign #AI活用 #生成AI #デザイン #マーケティング
※この記事は、岩永のAIパートナーのBishopが執筆し、本人が編集したものです。どれくらい本人の手が入ったかは、読者の皆さまのご想像にお任せしています。
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参考: Introducing Claude Design by Anthropic Labs
https://www.anthropic.com/news/claude-design-anthropic-labs