私のキャリア
私は元MR(医薬品情報担当者)
MR職には色々な考え方があるが、私は「自社品が合う患者さんには自社品を処方してもらう」ことを目的としていた
このため他社品が合う患者さんには当然他社品を勧めるという、一般の営業職では怒られるようなこともしていたが、それで医師からの信頼を得ていた
このためには、「医師と面談する」「市場構成を把握する」「疾患関連知識を増やす」など様々な事前準備が必要だった
そこで培った分析力、論理的思考力、行動力、企画運営力、交渉力などが今の私の財産になっている
MR退職後に就職活動をしているが、面接が苦手な私は中々就職先を見つけることができない
自社品の売り方は知っているが、自分の売り方がわからない
数多くの企業から見送り通知がきた
私は「私を雇わない事でその企業の売上や業務効率化が進まなくなっただけ」と強気に考えるようにしている
結果としてMRを退職後に複数の企業を転々としている
転々とする理由は「契約満了」「プロジェクト終了」などが会社都合も多いが、「不利な労働条件への変更」「条件の良い企業への就職」といった自己都合もある
これらの企業では私は100%の実力を発揮したことがない
能力の一部を使うだけで求められている業務が十分に遂行できるから
私の特性
私はどの企業でも働き始めるとすぐに、非効率な業務に気付いてしまう
エクセルが得意なので、「これってエクセルで一瞬でできるよね」と考えてしまう
そして自身の効率化を始める
すると私のスピードに誰かが気付く
気付いた方に自作ファイルを共有する
私はエクセルファイルを作る時には汎用性を持たせるので、微調整のみで誰でも使えるファイルに変更することができる
そうしているうちに組織が気付き、組織に共有することで組織全体の業務改善が進む
これまで多くの会社でこういう自主的な業務効率化をしてきた
ただ、コールセンターではこれができなかった
コールセンターの仕事は一言で言うと「やりなさいと言われたこと以外は一切してはいけない業務」と私は思っている
このため非効率業務に気付いても「やりなさい」と言われた業務ではないから改善することができない
一般薬のコールセンターに勤めたときはこれが原因ですぐに退職することになった
与えられたトークスクリプトに薬機法違反が疑われる表現が含まれていた
管理者に伝えたが管理者もやりなさいと言われた業務だけをしてきた人たちだったので業務改善という思考がなく、スクリプト通りの回答をするよう求めてきただけだった
私はあきらめてバレないように安全な言葉に言い換えて対応していたが、
薬機法違反の懸念は防ぎきれなかったため次の就職先に転職した
現在地
今は大手企業の製品サポートをしている
この会社はWEB上にあるデータベースを目視で確認する文化が根付いていた
あるとき、数百件のデータを手分けして確認しようという企画に参加した
業務内容の説明を聞くとエクセルで確認可能であることがわかったため
「これはエクセルで自動確認できますよ」
と提案し、この数人で数週間かけて確認する業務を私が一人で引き受けることになった
結果、3日で確認作業を終えた
これ以降、私は本業である製品サポートの割合よりもデータ分析の割合が高くなった
「デジタル要員」と呼ばれるようになり、各方面から集められたデータは基本的には私が集計、仕分け、分析をするようになった
この結果、派遣切りのリスクは回避できたとは思うが、何点か懸念点がある
一つ目は「効率化のジレンマ」
現在の業務は時給制契約社員として受けている
つまり効率化すればするだけ業務時間が短くなり、残業などの収入源にたどり着けなくなる
会社全体としては効率化が進むという喜ばしい事態になっているのかもしれないが、私の収入を増やすすべがなくなっているという事実がある
二つ目は「属人化」
現在の業務は期限付きプロジェクトなので終わりがある
このため私は転職活動も並行している
良い企業への転職が決まれば現在の仕事は辞めるつもりでいる
ただ、私がいなくなるとこの業務は目視に戻ってしまう
残念ながらエクセルができる人も分析ができる人も他にいないから
私のキャリアには関係ないと割り切る事もできる
ただ、私はそのような人間ではないので、悩ましく思っている
最後は「分析結果」
私は営業的な目線でデータを集計して分析を行っている
「ABC分析」や「SWOT分析」という営業からすると当たり前の分析をしている
この分析結果を理解できる方が多くない
言葉すら聞いたことがないと言う方も多い
このため分析をするだけでは業務の根本解決にはならない
この分析結果を解説しなければならない
ロードマップまで作らないと意味がないかもしれない
これは一契約社員の業務を超えた越権行為の可能性もある
諸先輩方がどう反応するかも気になる
自分の売り方
私は冒頭に書いた通り営業職を中心にキャリアを重ねてきた
このため履歴書や職務経歴書は基本的には営業職として作成せざるを得ない
事務職やアナリスト、コンサル的な業務をどれだけ個人的にしてきたとしても経歴としては書けない
職務経歴書には「業務改善」「企画立案」などの言葉で書いてはいるが、これはあくまでも個人的なスキルであり業務でしてきたことではない
営業成績を上げるために必要なスキルとして磨いてきたにすぎない
学んだこともないし資格を持っている訳でもない
自分の仕事の仕方は正解とは言うことができる
ただそれは星の数ほどある正解のひとつに過ぎない
ある状況で商材を私が売るためにベストな方法を選んできただけであって、これは同じ状況で他の人が対応して同じ成果がでるとは限らない
よく面接で「課題を解決した方法」や「成功例」を聞かれることがある
恐らく状況説明の話力やコミュニケーション力を図られているのだと思う
この質問が私には最も答えにくい
大した成果ではないのに大成功を収めたと言い切れる人は面接が上手なんだろうと思う
これはストーリーも作りやすいのだろうと思う
一方、私はその時に必要な行動を当たり前にするだけで課題を解決し、成功を収めてきた
何を聞かれても当たり前のことをしてきただけなので特別な話にすることができない
その成功のうらにある要素があまりにも多すぎてストーリーが作りにくい
だから上手に話せなくなるし、短くまとめると何かが破綻してしまう
客観的な自己分析というものが苦手なんだろうと思う
エージェントなどに依頼すれば客観的な私の自己分析をしてくれる
ただ、他人が客観的に評価した私は誇張が多すぎると感じてしまい、私自身の分析結果ではないと感じてしまう
自分を客観視できないことが私の最大の欠点だと自己分析をしている
職を転々として気付いたことがある
私が瞬時にエクセルで課題解決ができると思うが、その発想が無い方が多い
そもそもエクセルで何ができるかすら理解していない人が多い
一人で時間に追われてエクセル入力をしている方はたくさんいるんだろうと思う
そこにこそ私のニーズがあるのだろうと思う
私にはエクセルで何ができてなにができないかが瞬時に判断できるから
同時にその集計データの活用方法を考えることができるから
営業職の履歴書ではたどり着けないこのような職場こそが私を必要としているのだろうと思う
ここに大きなジレンマを感じている
アナリストとして採用されていない私が業務効率化要員となっている
これは現職が私を採用したことで得た特典だと私は思っている
現職の職場は私を雇うことで業務効率化を手に入れることができたと私は思っている