今回の転職で気付けた「自分はECプレイヤーだ」ということ
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2021年11月、勤めていた会社に退職の意志を告げ、転職活動を始め、複数の企業様から内定をいただき、かなり悩んだ末に2021年末、お世話になる企業様を無事に決めることができました。
この記事はそこで感じたこと、見えたことなどの個人的なメモ書きのようなものです。なのでどなかたのお役に立てる記事になるかどうかはわかりませんが、もし何かしらの参考になれば、とても嬉しく思います。
「一番やりたいこと」と「求人数」「待遇」が合わない
私は新卒以来ずっとEC事業に携わってきて、これからもECに携わっていきたいと思っています。
そのため「ECサイトの運営」という職種を圧倒的第一希望にしていたのですが、そこには「求人数の少なさ」という大きな壁がありました。
業務内容だけでなく「働き方」もかなり重要視している私にとっては、休日数が少ない、残業多い、みなし残業時間が異様に多い、遠いのにリモートワークNGといったような働き方は考えられなかったので、ECサイトの運営であれば何でも良しという考えにはなれず、希望に合う求人数はかなり少なかったです。
さらに「ECサイトの運営」の平均年収がそんなに高くないということもハードルの1つでした。東京はどうかわかりませんが、関西では「ECサイトの運営」の平均年収は大体350万程度(記載日時点)で私の希望額には届かない方が多いのです(あくまで体感的な平均であり正確に算出したものではありません)。
EC関連で求人数が多く、年収も希望に届いたのは「(ECサイトの)WEBデザイナー/コーダー」や「(ECサイトの)フロントエンドエンジニア」などでした。
そのためどこかでWEBデザイナー/コーダーとかフロントエンドエンジニアで応募した方が転職に成功する確率が高くなって良いという思考になってしまい、自分の第一希望では無いにも関わらず、WEBデザイナー/コーダー案件へ応募する数の方が圧倒的に多くなってしまいました。
javascriptやPHPはある程度書けるものの、実績に自信がなかったためフロントエンドエンジニアの案件で応募したのは1社だけでしたが、デザイナーとしては実績も自信もあったためたくさん応募しました。
元デザイン室長がデザイナーとしての選考全てに落選
結果は見出しの通りです。
デザインは学生時代から含めてまったくの未経験で美術的な才能があったわけでもなく興味もそんなに無かったのですが、新卒で入社した会社の同僚デザイナーさんに最初手厚く教えてもらえたことをきっかけに、Adobe Illustrator、PhotoshopによるデザインからHTML/CSS/Javascript/PHPなどによるコーディングを習得しどんどんそのスキルを昇華させていくことができ、ある会社ではデザインチームのリーダーに就任したり、ある会社ではデザイン室長という部長職扱いの役職をいただくに至りました。
個人事業でもグラフィック/WEBを問わずデザインの受託制作を行い、キャッチコピーや写真などデザインと関連性の深いジャンルのコンテストで受賞歴を作ることができ、またたくさんのクライアントからお喜びの声をいただくことができたので、デザイナーとしての経歴、実績も悪くないとある程度自信はあったのですが、結果はまったくでした。
原因はエージェント様にもヒアリングするなどした結果、私の強みが「デザイン力」ではなく「総合力」だったことが要因の1つとして大きいようです。
先述の通り私は学生時代からデザインを勉強したのではありません。たまたまECをやっている会社に入社し、そこで店舗運営、数値管理、マーケティング・データ分析、商品開発、広告運用、新人教育体制の確立やスタッフ教育、ExcelやPythonなどの活用による業務効率の改善からカスタマーサポートなど幅広いジャンルで成果を上げてきました。そしてデザインも、あくまでその中の1つなのです。お仕事に務めてきた中でデザインがちょっとだけ突出するような実績を上げるようになってきたというだけに過ぎません。
だからこそずっと「デザイナー」と称されることに違和感を覚えていました。
そのため職歴書や面接でも「自分の強みはあくまで総合力であって、デザインのスペシャリストではなく幅広く活躍できるジェネラリストです」と伝えてきました。
自分自身、デザイナーとしてデザインだけを突き詰めていくという未来像を描くことはできなかったのです。
しかしエージェントの方などの意見によると「デザイナー選考の場合ジェネラリストよりもその道のスペシャリストを欲していることが多い」ということだったので、自分の強みは魅力的なものではなかったのでしょう(もちろん落選した理由はそれだけがすべてでは無いと思っています)。
デザイナーではなく「ECプレイヤー」として
結果、デザイナーとしての選考全てに落選したことは私自身にとってとても良かったことだと思っています。
「あ、自分はデザイナーじゃなかったんだ」
と確信できたことによって未来の選択肢に迷うことが無くなったからです。
しかし、自分を表現する名称の中から「デザイナー」が消え去った今、私は●●です!と、自分を表現するなら何というキーワードがベストだろう?と悩みました。
転職市場とマッチさせるなら「ECサイトの運営をする人」「EC運営担当者」といったところなのですが、何というかダラダラした名称でしっくり来ませんでした。
いろいろ悩んだ結果「ECプレイヤー」という表現に行き着きました。
ECに関する業務なら1つ2つに留まらず幅広くできる、ECをたのしんでプレイしてお客様にもたのしんでいただくといった運営ができる、といった意味合いを込めました。
もちろん今後もデザインをする機会があれば、自分の中でできる高いパフォーマンスをもって取り組みます。しかしそれはあくまで業務の1つとして、「ECプレイイング」の1つとしてのパフォーマンスです。
そういった表現を活用した結果、「ECサイトの運営担当者」を募集している企業様から、ありがたいことにたくさん、高い評価と内定をいただくことができました。
面接もデザイナーとして挑んだときよりECプレイヤーとして挑んだときの方が遥かにやりやすくできたので、これが自分のフィールドだと今は確信しています。
ちなみに似たような境遇の方がいらっしゃれば「ECプレイヤー」という表現は自由に使ってください(笑)
ECプレイヤー同士情報を交換しあえるような機会も作りたいです!
「ECプレイヤー」というジェネラリストの評価は?
ECプレイヤーはやることが幅広いです。ディレクターもやるし、マーケティングもやるし、販促企画はもちろんカスタマーサポートもやるし、自分の場合はデザイン、コーディング、簡易的なものですがPHPやPythonなどでプログラミングもやります。
その割に転職市場においては「ECプレイヤー」というジェネラリストよりもスペシャリストの方が待遇が良いように感じましたが、自分としてはこのジェネラリストとしての道を突き進んでいきたいと思っています。
現状転職活動は無事に終わりましたが、ECプレイヤーというジェネラリストをどう評価していただけるのか、企業様からそのお話をたくさん聞いてみたいと思っています。
副業もやっていますので副業としてお力になれるようなこともあるかもしれませんので、EC事業を運営されている企業様からお気軽にお声掛けいただけると嬉しく思います。